• 2010年07月登録記事

ベニー松山著「風よ。龍に届いているか〈上〉」

ベニー松山氏の作品をちゃんと読んだのは、実は初めてです。
読んでいたのは、ベントスタッフの攻略本のゲームノベライズ短編のみ。PS版「BASTARD!!」は如何にテキスト重視ゲームと言っても小説でないし、同作の小説「黒い虹」は、完結してから読むつもりで、流し読みしかしていません。

キャラの善悪の属性で侵入できるフロアが違う、呪文使用回数など、ウィザードリィ「リルガミンの遺産」を遊んでると説明されるまでもない所なのでしょうけれど、巧く説明付けて盛り込んでいるので、「ゲーム的」などと一々引っ掛からずに小説として読めるのは、さすがだと思います。
国を救おうと迷宮に挑む冒険者の宿で、なぜ金を取るのかの下りは、そこを説明するかとちょっと面白かったです。
また、WIZ自体の設定ですが、僧侶が善悪どちらかでないといけない(中立では僧侶になれない)と言うのは、真理だなぁと思います。
バンシーが予告した死の危険は、登攀からの落下だけなのか。アドリアンは何者か。消息の分からないフレイはどうなってしまったのか。そしてそもそもの問題である大災厄はどうなるのか、先が気になります。
そして主人公として爽快なジヴに、マイノス、ザザと言った味のある仲間キャラが脇を固めていて、キャラ小説としても楽しめます。
が、敵の妖獣ゼノの表現が生理的に不快で、読破後に気持ち悪くなってしまいました。
これから展開されるだろう閉鎖空間での戦いが恐ろしく、続きを読む事を少々躊躇してしまいます。ボルフォフの手傷はどう読んでも危険な伏線で恐怖を煽るし……。文章表現力が豊かすぎるのも、ここまでホラーだとマイナスかも? 描写として成功している、と言えますけれどね。

「隣り合わせの灰と青春」も合わせて読むと、キャラの背景などが分かって楽しいのだろうな、と思いますが、さすがに「隣〜」を今から入手するのは難しいでしょうね。

再び、宙組公演「トラファルガー/ファンキーサンシャイン」11:30観劇。
前回と対極の、2階端(B席)です。今回の舞台では、唯一の上手側席。これまで見えていなかった側の表情などを楽しみに、脇役中心でがっつりオペラを覗き込みました。

どういうわけか、今日は芝居でもショーでも、オペラを持ち上げると鳳樹いちが視界に入って来ました。特徴のある顔立ちなので、眼を惹くのでしょうか。
バラス役以外に、イギリス兵も演じているなことは前回気付いていましたが、同様にフェルディナント国王陛下@天羽珠紀も出番終了後はイギリス兵に変わっているのですね。段々、プロローグやトラファルガーの海戦でどのキャラがどの位置に兵士として紛れ込んでいるのか、見分けられるようになってきました!
あと、鳳翔大のアピール力って凄いですね。どんな端で踊っていても目立つ、不思議な空気を持っていると感じます。

芝居の方は、前回より一層深まって、毎回泣かされるエドマンドの台詞以外に2度も目頭が熱くなりました。
具体的にはジョサイアとの和解と、ラストのホレイシア抱擁シーン。
ネルソンの「父親」としての包容力、愛情の深さが増して来ているのでしょうか。勿論、父だけでなく子であるジョサイアとホレイシアとが良くなって、相乗効果と言うことなのは間違いありません。
あと、レストランシーンでのファニー@花影アリスに、「女の怖さ」を今まで以上に感じました。「カード遊びに興じたり」など言う度に、ネルソンの顔が強張り、ハミルトン卿が嬉しがり、と場の居たたまれない度合いが増していましたね。

今回、同行した友人がハミルトン卿を「嫌な男」と受け取っていたのが興味深かったです。
演者がハートフルな印象なので、もう少し二人が違う関わり方をしていれば、エマを芸術品としてでなく人間として愛せたのでは、と私は感じていました。
でもレストランのセッティングや、その時の「楽しい」発言の嫌味っぽさを考えると、友達にはなりたくない人ですね。もし主人公とヒロインの恋愛を肯定的にするならば、ハミルトン卿は嫌な男描写の方が正解なのかも。けれど、賭けの勝利を伝えるシーンなどは良い人だったりするので、これは脚本の方向性が中途半端なようにも思います。

ショーは楽しみ方が分かったので、逆に語る所が少なくなってきました。
気になる所としては、3組デュエットで、北翔海莉&純矢ちとせペアが今日も物凄い速度で回ってました。
最も体格的に厳しいペアに見えるのに、全力回転!と言う勢いに、大江山花伝でも一人回転が早かった渡辺綱を思い出して笑った反面、残り2組の回転速度と合わせて貰った方が、全景として綺麗に見えそうですよね。
千秋楽までに、他2組の様子も見て速度を合わせて貰えると良いなぁと期待しています。

公演と直接の関係はありませんが、キャトルレーヴで逆転裁判曲「フェニックスライト」が販売中止になっていました。
著作権上の理由と言うことでしたが、ゲーム音楽を使っているのってこの1曲だけでしたっけ? それとも、CAPCOMとは無関係の著作権でしょうか。ちょっと気になりました。

バームクーヘン専門店が「ねんりん屋」とは、巧い店名だなと思います。
商品コピーも「成程」と思わせるもので、「“バームクーヘンのフランスパン” マウントバーム(しっかり芽)」と「“バームクーヘンのカステラ” ストレートバーム(やわらか芽)」の2種類。

マウントバームは、西武池袋店限定「ほっくり仕上げた焼きいも(マロン)」をチョイス。
外側の砂糖がちょっとカタ過ぎ(固過ぎ&過多過ぎ)な気がしました。
栗の微かな苦味が残る、好みの分かれる味。普通の味で食べ直した方がよさそうです。

ストレートバームはその日の内消費の「極上のたべごろ」で食べてみました。
見た目はこちらの方がいわゆる「バームクーヘン」。確かに、カステラ風でふっくらした食感。でも、口の中が乾いたりモソモソとした食感が残るようなことはなく、適度な湿度感があります。
日持ちするタイプとどう違うのか、食べ比べてみたいですね。

どちらも、味自体は薄めに感じました。
個人的には、お値段相応に美味しいけれど、行列して待ってまで購入するなら、ユーハイムで充分かなぁと思いました。
新宿伊勢丹店に開店したホレンディッシェ・カカオシュトゥーベにもそんなに感心しなかったし、バームクーヘンって難しいお菓子ですね。

私が一番思い入れがある一次創作ネタは、たとえ何年停滞していようと「AKC」であり、そして根からのゲーマーなので、院をテーマにしたゲームと言うものは当然のように何パターンも考えてきました。
PCはキャラメイキング制で、院の学生と言うタイプが基本ですが、導入シナリオは何種かあります。
今日はそこから2つ掲載してみます。

●とある世界(地球的なイメージで)の危機を救う実習、が最終目的。
勉学に励み、力を付け、実習を成功させることを目的に日々を過ごす。
実習は、自力で解かねばならないので、院の日々でステータスを成長させた上で、推理力などを働かせつつ進める必要がある(ステータスにより、選べる選択肢やその成功・失敗の結果が変化する)。
実習に行かずに、リミットまで延々院で過ごし続けてもOK。また、実習はいつでも挑戦可能になっているので、初日から受けにいく事も可能。
目的が適当で、凄くまったりした展開になりそうな話。ゲーム性を高めるならば、ライバルを登場させてどちらが早く自己育生に成功し実習を成功させるか……などと思いましたが、そうなるともの凄くアンジェリークであることに気付きました(笑)。

●幽霊モノ。
PCは意識体。他人に乗り移りながら、自分探しをする。
憑依している間は、その人の能力を使う事が出来る。憑依されたキャラは、憑依されている事に気付かない。接触すると「触れた相手に憑依する/今の肉体に留まる」を選ぶ事が出来る。
ちなみに、誰かに憑依した状態でフォウルに見付かるとゲームオーバーになる。
乗り移ったキャラとしてロールプレイして過ごす、のも面白いかなぁと思っていました。しかしPCの正体などは全然検討してないので、お話に出来る状態ではないただの空想です。