• 2012年05月登録記事

 この『世界』の中で、彼だけが浮いている。
 彼だけが『世界』から特別に選ばれ、また自らが特別である事を知っている。
 ――旧連載ログ「A Glance」より

久し振りのAKCキャラトークは、詩乃 ヴァレス 王蘭語りです。

詩乃は、「もう1人の白候補」という設定が決まっていたため、リートと対になるキャラクターとして誕生しました。
何事にも真っ直ぐで時に傲慢な“太陽”である詩乃と、優しさが時に曖昧な“月”であるリート。そんなイメージで描いています。

詩乃は「特別である」ことが身に付いている人物です。
実際に、彼は己の世界では選ばれた存在「エデン」の1人であり、院においては「白の候補者」であります。
けれど、実は能力的には大変平凡な人物でもあります。

そもそも、詩乃の生まれ育った世界は、少し特別なルールで構築されています。
その最たる点は、魔法などの不思議な力が存在できないということです。
たとえ「魔法使い」キャラクターがこの世界を訪れても、厳格な世界の意思により一切の力を振るえない状態になります。オムクのような“あり得ない生き物”はぬいぐるみと化し、幽霊であるヒカルは、恐らく存在を許されないでしょう。
当然、この世界の住人である詩乃も超常の力は一切扱えません。
かといって肉体的に優れていたり、知力が飛び抜けていたり、芸能面で天性の才があるわけでもありません。
結局、彼が扱える唯一の能力は、空間制御です。これは院のキャラクターならば必ず持っている能力であり、目新しいものではありません。

それでも彼が確かに特別な存在であれるのは、自負から発するスターオーラ(時に読者の皆さまから「対ラメセス用ニフラム」と言われる/笑)があるからだと思います。
証はなくても、己は特別だと知っている。そう振る舞う。その結果が後から付いてくるのが、詩乃の生き方なのです。
一歩間違えて「ただの自意識過剰の馬鹿」と皆さまに思われないよう、描き方には細心の注意を払いたいと思っています。

新作テイルズの予告CMがWeb上でも公開。
http://next.tales-ch.jp/

最近はティザーサイトに飽き足らず、CMまで使って随分大掛かりな予告広告をするんですねぇ。効果がどの程度出るのか、疑問です。
新作のイラストはただのイメージかも知れませんが、エクシリアと同じような質感を感じるので、PS3なのかな。だとすると、また縁がなさそうです。

さて、CM自体についてですが、1995年ファンタジアと、1997年デスティニーが、どちらもリメイク版の映像という点に思わず突っ込んでしまいました。
TOE、TOS2が割愛されたのは寂しかったですが、シンフォニアが入って思わずガッツポーズ。しかし、なぜネタバレ著しいゼロス死亡シーンなんですかね(苦笑)。
レジェンディアとリバースが割愛されたのは、TOS・TOA間のリリース間隔が狭過ぎたせいだと思っておきます。
ちなみに、キャッチコピー「少女の為に世界を壊す覚悟」は、既にTOD2=カイルで見ている気がします。TOS=ロイドも、コレットが切っ掛けで世界を変えたという観点から、同じことが言えそうですね。

今年のテイルズオブフェスティバルは公式生放送まで用意されるとのことで、随分気合が入っているようですし、直接自分は関係しないとしても、またテイルズ関係で賑わうのはジャンルの片隅にいる人間としては嬉しいので、来月を楽しみにしています。

そろそろ「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」の先行イメージが公開されるのでは、と先週からドキドキしています。
配役妄想も少し考えたのですが、それを実現するには寿つかさと鳳樹いちが分身する必要がありました(笑)。昨年から職人タイプの役者が相次いで退団しているのが、やはり痛手です。

そもそも、原作のどの部分を切り取るかで役の比重が変わりますよね。
私は、外部舞台で観られなかった「赤毛ののっぽさん」実現のため、歌劇団随一の高身長を誇る悠未ひろのキルヒアイス役を念じているのですが、区切りがよい原作2巻までの脚本ではさすがに難しいだろうとも思います。漫画版のように3巻の内容を割愛して、5巻まで盛り込んだ脚本ならこの配役もあり得るでしょうか。
しかし、帝国・同盟双方に役者をあてた場合、番手バランスは良さそうですが、朝夏まなとがヤン役になるのも個人的にはイメージ違いです。
まさかのトップスター凰稀かなめがヤン役という線は、ないですよね。それも面白そうですけれど。

娘役勢は、伶美うららアンネローゼ、すみれ乃麗フレデリカを順当に期待。
この辺は普通に楽しみです。

実のところ、最大の懸念は役者より脚本です。この過密スケジュールの中、脚本・演出の小池修一郎先生は原作を読めたのでしょうか?
実は昔から原作ファンだった、或いは劇団内部に助言できるファンがいることを祈ってやみません。

VICTORIAN PUB「THE ROSE & CROWN」有楽町店
http://www.dynac-japan.com/rose/

前を通るたびに気になっていたチェーン店へ遂に突入。
外観も内装も本場のパブらしい雰囲気があり素敵です。間口からは想像もしないくらい広い店内で、ゆったり寛げました。
まず、注文したメニューの出てくるのが早い点が気に入りました。メニューは酒のツマミと言う感じのものが中心ですが、出来立てのホカホカで美味しいので充分。
英国系の為か、ビールが軽くて飲み易いことには驚愕しました。特にローズビアがさっぱりして美味。サイズは3種類から選べるので、量の調節もできました。

嫌煙家としては分煙な点のみ不満ですけれど、喫煙席でもそんなに煙っぽくは感じませんでした。
美味しく楽しくお酒を飲む店として気に入りましたが、ランチもやっているんですよね。次回は昼の使用も考えてみたいです。

東宝「エリザベート」17:30回。
エリザベート:春野寿美礼、トート:マテ・カラマス、フランツ:岡田浩暉、ルドルフ:平方元基、幼年ルドルフ:山田瑛瑠、ゾフィ:寿ひずる。

久し振りの「エリザベート」は、やっぱり面白い!と思いました。
様々なエピソードがスピーディに展開するので、上演時間の長さを感じないあっと言う間の3時間でした。

トート@マテは、ウィーン版トートだけあって、オリジナル版に近い雰囲気を感じるロック調のトート。とても良かったです。心配していた日本語の壁ですが、歌ではそんなに気になりませんでした。台詞だと片言になって「胡散臭い外国人」そのものですが、人間ではないモノが人の言葉を喋っていると思えば許容範囲かなぁ。あとは、意外な等身の低さに驚きました。
顔が大きいマテとの比較で、小顔の超絶スタイルに見えたのがエリザベート@春野。冒頭の少女時代が可愛く澄んだ声で少女らしく感じられて驚かされました。声域がアルトだと思うのでソプラノの楽曲は厳しいのでは、と思っていましたが結構幅が広くなっていました。「私が踊るとき」での自信に満ち溢れ、トートを圧倒する感じは素晴らしかったです。演技解釈は、芯の強いシシィではなく、弱いシシィが鎧っているという感じ。特に、1幕ではトートダンサーに踊らされる時に意志が感じられず、正に「人形のように踊らされた私」だったのが、自我に目覚めていったというのが目に見えました。

新キャストのフランツ@岡田は、予想外に声が好み。童顔で若い印象ですが、老けても自然な演技でした。ルドルフに対する愛と皇帝としての責務感はちょっと薄かったけれど、妻への愛と優しさには溢れていました。
それ以上に素晴らしかったのが、ルドルフ@平方です。高身長、歌上手、ダンスもバッチリと三拍子揃った安定感。「闇が広がる」の後はしばらくショーストップしていました。父子で顔形が似ていたのも面白かったです。オールバックの髪型だけが似合ってなくて残念でした。
子ルドルフは、とにかく子役のボーイソプラノで「ママ!」と言うだけで可愛らしく且つ可哀想で大甘。
トートダンサーの激しさと、ツェップスが撃たれた瞬間凄く吹き飛んだのと、女官の上手にいる子が大和悠河に似て見えたのが面白かったです。

東宝版は、とにかく男性声が入ることによる「ミルク」や「HASS」の迫力がやはり凄いと思います。
しかし以前も書きましたが、宝塚用の「愛と死の輪舞」解釈が中途半端に入っているせいで、ラストシーンでシシィとトートが噛み合ないまま大団円にならず、すっきりしないのが気になります。
東宝版を観て楽しむほど、よりキラキラしく分かりやすい宝塚版が観たくなりますね。