• 2016年10月登録記事

3DSのシミュレーション「サバクのネズミ団!」体験版を遊びました。
http://www.arcsystemworks.jp/arcstyle/nezumidan/

サバクのネズミ団!

ネズミたちの住処である移動要塞「サバクフネ」で、砂漠を移動してスクラップを拾い、生産したり住処を改造したりしながら拠点を移動して、黄金郷を探すゲーム。
また、アークシステムのリアルタイムストラテジーです。案の定、睡眠妨害ゲームでした。
乱暴な言い方をすると、やっていることは「大開拓時代〜街をつくろう〜」と変わりないのですが、可愛いネズミたちがチョコマカ動く見た目と、独特のロマン溢れる世界観でプレイヤーを引っ張ります。砂漠を移動する巨大車両、乗組員はネズミ、ゴミを拾って暮らしている、という要素が「スターウォーズ」(EP4)に登場するジャワ族のサンドクローラーを彷彿とさせられますよね。体験版にて、某ドロイド二人組と遭遇したときは思わずニヤリとしました(公式PVでも2:15辺りに登場しています)。

公式ジャンルは「移動要塞でサバクを旅するシミュレーション」となっていますが、手探りの探索感は薄く、移動できる拠点同士は線でつながっていて、目的地を選んだらあとは全自動です。

でも、それはマイナス要素ではありません。

ゲームの肝は、移動要塞の中に部屋を作り、ネズミたちに仕事を割り振っていくという生産部分。
序盤に関しては、とにかく物資不足に悩まされるのと、倉庫にスペースがないと物資を保管もできないというジレンマがなかなか秀逸です。
RTSの面白さは、ルーチンが巧く機能し始まるまでの試行錯誤にあります。そのため、ある程度軌道に乗ると飽きてしまうものですが、このゲームの場合は、「サバクフネを乗り換える」という行為で、途中途中に「リセット」行為を挟み、面白さを延命していると感じました。
「大開拓時代」だと地続きの土地、「メゾン・ド・魔王」だとアパートの上部に新しい部屋を拡張していくので、拡張前に十分な生産拠点を築けば安定するのですが、サバクフネは毎回0に戻る(物資の一部は引き継げる)ので、「倉庫を拡張したいけれど、そのために使う物資が貴重だから次のフネに取っておきたい」等と考えることになり、強化が最善の選択肢とは限らないのが面白いです。
拠点につくと、情報料も出て行くし、砂漠で拾えない水とチーズ、移動に必須の燃料は補給しておきたい……と、全体的に物入り。特に、燃料は最初の拠点から離れるほどどんどん高くなるので、常にカツカツ気味です。ネズミたちを馬車馬のように働かせ、プレイヤーも矢継ぎ早に指示を出し、と目が回る忙しさで、飽きている暇がありません。

サバクのネズミ団!

ネズミたちは、運転を交代したり、お腹がすいたら食事をし、疲れたら勝手に休み、ゴミを拾っては喜び、吹き出しで自己主張しつつ、割と図太く楽しそうに生活していて、その動きを見ているのも楽しいです。
乗組員は行き倒れを拾う以外にも、ベッド数があれば勝手に増えるのですが、ネズミだけに増えるときは一気に数が増えるので、ビックリしました。食べる物がなくなると物資を食べてしまうらしいのも、ネズミらしさの現れですね。

難点がないわけでなく、部屋を選ぼうとしてネズミを選んでしまったり、ネズミを部屋にバインドする機能がやり難かったり、倉庫整理機能がなかったり、売り買いや依頼関連のメニューの分かり難さなど、少々UIに洗練されていない箇所があります。
しかしそんな不便さも楽しもうという気にさせられる、なんともツボを突く作品でした。

道尾秀介著「月と蟹」

【あらすじ(終盤までのネタバレ有り)】
父を失くした慎一は、かつて祖父が船事故で、同級の人気者の少女・鳴海の母を死なせてしまった事情から、小学校で疎外されている。しかしある日、慎一は母と鳴海の父親の逢瀬を目撃する。友人と創作した願い事を叶える儀式で、慎一は「鳴海の父をこの世から消してください」と願うのだがーー

少年期の甘酸っぱい物語かと思いきや、子供たちの小さな社会の闇を描いた怪作。

ところどころ、ホラー風の不気味なテイストを感じて肝が冷えました。
カエルの肛門にストローを刺して膨らませるだとか、アリの巣を破壊するとか、子供は残酷な行為を容赦なく行うものです。本書では「ヤドカリの貝を炙って追い出した後、焼き殺す」という遊びが行われますので、そのこと自体はサラリと読めたのですが、そこに儀式的な意味が与えられ、次第にドロドロとした情念が込められていくところが恐ろしかったです。

どうにもならない結末は生々しく、考えるほどに腹の底が重たくなる読了感。
作中に吹く風も、山では轟々と吠え、海では湿度が高く、清々しさより息苦しさを感じました。

発売間近のRPG「ワールド オブ ファイナルファンタジー」ダンジョン体験版(PS4版)を遊んでみました。
http://www.jp.square-enix.com/WOFF/

WORLD OF FINAL FANTASY

遊ぶ前は、FFシリーズ歴代キャラクターが登場するお祭りRPGという認識でいました。
もちろんその側面はありますが、ゲームを体験して、これは「FFシリーズ」のモンスターを使った「ポケットモンスター」だったと分かりました。

本作は、登場するすべてのモンスター(本作ではミラージュ)を捕まえて、仲間にできます。

ヒナチョコボ

仲間にしたミラージュは、「ノセノセ」で頭の上に乗せられます(大型モンスターには乗れます)。

戦闘シーン

初めて見たときは、キングダムハーツ体型の主人公がマスコットを頭の上に乗せているシュールな図に吹き出したのですが、主人公たちをデフォルメされた「プリメロ」体型に変身させると、凄く可愛いです。しかも、主人公たちのサイズ設定がMに変わるため、Lサイズのミラージュに乗れるのです。
「フェンリルに乗りたい!」等といった騎乗意欲でミラージュ捕獲に熱が入り、データ引き継ぎはないのに、少し頑張ってしまいました。
デフォルメされたミラージュはとても可愛いし、捕獲時に閲覧できる少しトボケた紹介テキスト等も、好きな人には溜まらない雰囲気でしょう。

コカとリス

「ノセノセ」は見た目だけでなく、戦闘システム的にも深い意味があります。
まず、「ノセノセ」状態だと最大3体の能力が合算された1体のキャラクターとして扱われるので、純粋に強いということ。そして、同じ系統のアビリティを持ったキャラクターを「ノセノセ」すると、組み合わせによって更に強いアビリティを使えるようになるなど、組み合わせを考えるという面白さがあることです。
「ノセノセ」は解除して「バラバラ」で戦うこともできます。ただ、手数は増えても個々が弱いので、基本は「ノセノセ」であり、ノセノセを維持する(逆に、敵のノセノセは崩していく)ことが基本戦術になると感じました。

1.5頭身の丸くデフォルメされたキャラクターデザインを採用しているため、ターゲット層はライトゲーマーだと思っていました。しかし実際は、FC〜SFCで遊んでいたFFファン向けの1.5頭身ですね。
特に、FF5かな。

バッツ

私の思い出のバッツやファリスの姿そのままで、これは嬉しいな、と思いました。
逆に、ライトニングやユウナなど、元々高い頭身でデザインされているキャラクターは、若干違和感がありました。

戦闘システムと育成要素は非常に奥深く面白そうな気配を感じたのですが、少々無視できない不満もあります。
それは、メニューのUI周りです。
例えば「アビリティ確認」画面等の階層が深く、表示が面倒なのは、育成のためステータス調整や確認を繰り返すゲームシステムと合わず、大きなストレスを感じます。
戦闘時のシンプルメニューは、見た目は綺麗だけれど、私にはアビリティやセイヴァー召喚の使いかたが分からず、クラシックモードに変更してしまいました。
挙動も全体的に遅めで、最新のゲームにしては雑な作りだと感じます。製品版は、デイワンパッチで改善されたりするのかしら。

また、物語に関しては、体験版やトレイラー中、悪ノリだと感じる台詞回しが結構あって、合わないと思いました。
ミラージュ紹介の小ネタは許せるのに、タマとセラフィの「メタ」っぽい掛け合いは好きになれないのが、我ながら不思議な心境ですが……。

不満はありつつも、ユニークな「ノセノセ」には一本取られた体験版でした。

坂東眞砂子著「ラ・ヴィタ・イタリアーナ」

イタリア滞在・取材旅行を描いたエッセイ。
作者当人が書いている通り、前半と後半で少し雰囲気が異なります。
前半は、イタリアの中にいて、彼是論評しつつイタリアを楽しんでいるエッセイ。後半は、イタリアから一旦離れ、改めて来訪者として訪れた少し冷静な視点の分析エッセイ。最後は「ドロミテ異境探訪」という、雰囲気の違う旅行記。

前半部分は、題名から期待した通りの雰囲気で面白かったです。
イタリアという国の適当さ、不便さ、ゴタゴタが中心ではあるのですが、作者は最初からイタリア通なので、ある程度怒りつつも、割とこの手の「イタリア流」の面倒臭さを受け流しているように感じます。「イタリアで教習所に通う」という下りは、他に類を見ない独自のエピソードで楽しかったです。

ちなみに、私は「人生は美しい」と積極的に思うことはないけれど、ことさら悲観するでもなく、「人生まあまあに楽しめば良いじゃないか」という日和見派。
本書で語られている、イタリアを楽しめるタイプに入るのかどうか、少し微妙なところです。

最終回……になりませんでした。
戦闘システムを把握して以降、サクサク進んでいましたが、ラスボスの歯応えだけ異様に硬いです。一時間くらい粘って負けたときは、ガックリ来ました。
4回戦ってみましたが、勝機を見出せないので、レベル上げを敢行しなければならないかも知れません。
ちなみに、ラスボスの勝ち台詞が二種類以上あることは確認できました。そんなことは別に知りたくなかったけれど(苦笑)。

エピソード30 父の果たせなかったこと

アーヴィンの現実世界での協力者は存在しなくなり、レインの次元バリアを消滅させる「丸裸弾」(ケロロ命名)も完成。
いつでも王城へ攻め込めるという状態で、クルルが数時間以内に赤い霧の大波がくることを予告。
シェルターが完成しているため、仲間は退避可能という見立てでしたが、セリッシュ姫が、城にいる1万の民を守らねばならないと主張。主張すること自体は、王族の義務感と思って納得したのですがーー

英雄様の様に!死力を振り絞って!

他人に頼む立場でありながら、この台詞。元々地を這っていた好感度が、地面の下に突き抜けてしまいました。
忍が反論したのは少し安心しましたが、仲間にも援護して欲しかったし、引っ叩くくらいしても良かったと思います。

結局、アーヴィンを撃破して城に姫たちを呼んでシェルター退避するのを理想としつつ、大波に間に合わなければ忍が結界ジフトを使い、可能な限りの民をシェルターに運ぶという算段で、王城へ。
侵入に当たっては、エピソード5で忍たちが使った、ブラジルのゲートを使うことになったので、ここでゲートを探索。イーリャンのアルター(絶対知覚)と観測霊と雪之のHiME(ダイアナ)の連携で、現実世界にある計8つのゲートを発見しました。
これまで登場した3ゲート(ポイントデルタ・12、ブラジル、アルター要塞)に、ノベンバー11、蘇芳、鎮目が通ったゲートがそれぞれ別途の3ゲートと想定しても、残る2ゲートは何処に通じていたのか疑問です。

最後の突入合図をケロロに振ってあげたドレイクの優しさに、思わず笑いました。
ケロロは、全体的にいい味を出してます。5匹中4匹はキャラが立っているのに、ドロロだけ影が薄いのですが、これも原作設定準拠らしいので、上手いクロスオーバーだと思います。

ここからは、ゲームオリジナルキャラクターとのボス戦が続きます。

まず、アプトリオ。
彼女は悪人ではないし、元凶にも自力で気付いたというのに、結局戦って散っていくのですね。立ち塞がる理由は「忍たちが城に侵入すれば、心理的に危ういアーヴィンは民を人質に取りかねないため」というものでしたが、そもそも過去に負けているのに、自分1人で防げると思う判断が納得できません。

それに比べると、レッドは馬鹿馬鹿しい自尊心から戦闘に突入するので、逆に清々しく感じました。
まあ、彼が「ぜんぶ異界人のお力で助けてもらいました」という結末に納得できなくても、肝心の姫が、最初から最後まで「異界人におんぶにだっこ」精神だったので、たぶん気にしないんじゃないか、という点が悲喜劇でしたが。

最後の中ボスが、レイン。
これまで引っ張った化け物でしたが、彼女までは、他のボスと大差なく簡単に倒せます。
ちなみに、今際の台詞で、アーヴィンによって作り出されたことは確定しましたが、原材料となった人間については誰も触れてくれず、私の妄想のまま終わりました。

その後、一万の民を発見するより早く赤い霧の濃度が急上昇してしまい、遂に忍が結界ジフトを発動。理屈は別として、リナたち、リウイ、メリッサも魔法で補助してくれるのは地味に嬉しかったです。
その他のメンバーも濃度拡散を計るなど、全員協力体制で大波をやり過ごします。
ここは歌入りの主題歌で盛り上がる演出でしたが、立ち絵と台詞だけで、動きと間がないので残念なことに。大波が来た!→やり過ごした!という一瞬の出来事になってしまっていました。

残った探索エリアを進み、遂にアーヴィンと対峙。
ここで、まさかの数時間経過中です。

味方はレベル73。経験値を倍にする「アルターの背骨」を装備していたので、低くはない筈ですし、これまでのボスは一切苦労しなかったのですが……。

従来のメンバー構成

STARTING MEMBERに守備+連携特化の読子・ハジ・劉鳳・舞衣
裏(右)に攻撃特化のドレイク・オーフェン・カズマ+魅力特化の碧(万一の回復用)
以上の少数精鋭8人パーティで、全員を攻撃参加させてクロスオーバーコンボを発動する作戦、主力はカズマ(第二形態)、という形。
HPはどの枠も4000程度しかないのですが、速攻で倒してしまうので、特に問題はありませんでした。
※このゲームは、HP・PPはキャラ別でなく枠で共有。

アーヴィン戦の問題点

注意すべきは、AP50で発動する「フィールド効果(敵:会心UP×3、プレイヤー:ALL無効」。
アーヴィンは当初、このアクションをターンの最後に実行するので、アタックターンになった瞬間に、味方の必殺技で上書き可能です。しかし中盤以降、ターン冒頭に実行して来るように変わります。
元々会心が高いアーヴィンに「会心UP×3」のバフが掛かると、9割近い攻撃が会心の一撃になってしまうのです。こうなると、AP803で発動する必殺技(全体攻撃)は、防御なしで防ぐことが困難です。防御行動は1回に1人しか使えないし、PP消費するので、あまり頼りにできません。

ごく正統の戦術で倒そうと考えた場合、ディフェンスターンに置くメンバーは、多少連携が低くなっても守備力を重視するべきだと考えました。さらに、参加メンバーを増やすことで各枠のHPを高くし、死に難くすることも検討。
しかし、連携が下がった上で戦闘参加人数を増やすと、全員が同一ターン中にコンボを繋げることが発動条件のクロスオーバーコンボは使い難くなります。結果、攻撃力が下がるので、これだと長期戦の末ジリ貧になってしまうのがオチでした。
あえて4枠使わない変則パターンも試してみましたが、軸移動で通常攻撃を避けられるわけでもなく、あまり意味はありません。
唯一の救いとして、必殺技やAP718の横2人攻撃は、軸移動で回避可能。戦意喪失のキャラクターが2人いるときは、ノーダメージで必殺技を回避できます。……が、一度の采配ミスで全滅するので、英雄モード発動狙いもあまり有効打とは思えません。

ちなみに、これまで使わなかったキャラクターも一通り試すうちに、ドロロが壁役として優秀なことを発見しました。
純粋な守備力が高いだけでなく、良く避けるのです。さすが忍者。ゲーム上では見えないけれど、別途「回避」のステータスが設定されているのでないか、と疑うくらいです。
それから、回復役(アメリア・メリッサ)は入れておくと、万一のときに立て直しが可能。普段の回復は、魅力が高いキャラクターの必殺技で十分ですが、戦意喪失が出たときのことを考えると、回復専門が1人いた方が安全だとつくづく感じました。

とりあえず、このままラスボスを倒せずに終了なんて「サガ」シリーズみたいなオチは困るので、大人しくレベル上げしてみます。1、2つレベルを上げて勝てる雰囲気でもないですが……。
※「サガ」は、ラスボスが倒せなくても恥じなくていいゲームだと思ってます。