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独白 それぞれの・ナナリー

 この旅が、もっとずっと、長く長く……いっそ終わらなければ良い。
 あたしはそう考える事があるんだよ。

 だって。
 あのいけ好かない男と決着をつけて、エルレインの目論見を全部ぶっ潰して、この旅が終わったら。
 あんたたちとは「さよなら」なんだって、気が付いちまった。

 あたしたちを隔てる十年の歳月。

 ああ、あたしは独りでも大丈夫だよ。
 今までだって、あんたたちとは関係なくあたしらの村で生きてきた。
 だから独りでも大丈夫さ。
 うじうじと後ろ向きなのは性に合わないからね。

 ……でも、ちょっとだけ。
 あんたの支えが欲しくなっちまう時もあるだろう。
 泣き顔を見られないように隠してくれる胸が欲しくなっちまう時があるだろう。
 そんな時、あたしはどうしたらいいんだい?
 一度知った温もりを手放して独りで膝を抱える覚悟が出来るほど、あたしは人間ができてないんだ。

 あたしは「さよなら」なんて、言いたくないよ。
 あんたたちに言われるのも御免だよ。

 ずっとずっと、仲間でいようよ。ずっとずっと、旅をしよう。
 そう、何回言いたくなったかな。

 分かってるよ。
 あたしたちが夢の中で暮らせっこなかったのと同じように、この旅も終わりが来る。
 あたしたちの手で終わらせなくちゃならない。

 ね、その時泣きたくなったら、また胸貸してくれるかい?
 ね、ロニ──