「……食べられるな」 「……うん、悪くないね」 どこか複雑そうな表情でフォークを動かす同志たちに向かい、本日の料理人は満足そうに頷いた。 「これならば文句あるまい」 この時は沈黙こそが確かな回答だった。 そして、床に伏せている恋人のもとに運ぼうと嬉々として出来たばかりの料理を皿によそい始めた彼の背中を、少年は食器に歯を立てんばかりに恨めしく見つめ、騎士は努力が実るまでに費やされた数々の犠牲を想って涙した。