そこに楽園はあるのだろうか。 「分からないけれど」 少年は真っ直ぐ前を見据えてまるで独り言のように答える。 「行かなければずっと分からないから、僕は行く」 強い風に吹かれて言葉の端々と髪が浚われ踊った。