夜営の見張りの間に星を数える事など、疾うに飽きてしまった。宙(そら)は何処までも広く、ただ自分が余りに矮小な存在だと思い知らされるばかりだ。 交代の折りにそう訴えると、幾つ数えたのかと逆に問われた。 「三千九百……嗚呼、今流れたので四千だ」