天の響

ユアン好きに10のお題

4000

 夜営の見張りの間に星を数える事など、疾うに飽きてしまった。そらは何処までも広く、ただ自分が余りに矮小な存在だと思い知らされるばかりだ。
 交代の折りにそう訴えると、幾つ数えたのかと逆に問われた。
「三千九百……嗚呼、今流れたので四千だ」

2004/02/16 初出