やはりミトスは未だ子供なのだと思わされる。その純粋さと言う武器を振るう点において。
少年は人間の騎士を同志と呼び、その懐に招き入れた。
同じ事を望まれても、自分には出来ない。ハーフエルフには同族以外の仲間などいない。そう思って生きてきたこれまでを、直ぐに乗り越える事は。
自分も子供ならば、かの騎士を素直に認められるのかも知れなかったが。
だが――果たして自分は人間と、真実仲間として在りたいのだろうか。エルフの血を引くが故に過ごすだろう長き歳月の全てをもってしても忘れる事は出来ないこの憤懣を捨て、かつてこの身を虐げた者と手を取り合おうなどと。
それは難しい問いだった。