「クルシス?」 その不思議な響きの単語にユアンは首を捻った。予想していたような古代エルフ語でも何でもない。 疑念に対し、ミトスは子供らしい薄い胸を張って応えた。 「クラトスのク、姉さまのル、倖せのシ、最後に僕のミトスでス。完璧でしょ!」 素敵な名前ねと華やいだ声が後押しして、一瞬ユアンもそれに頷きかけたが── 「……私が入っていないぞ!」 「と言うより、そんなセンスで良いのか」 ハーフエルフ達の一風変わったネーミングセンスに、人間の変わり者が項垂れた。