マーテルが微笑む。 それだけで、もう一つ月が出たのかと思うほどこの世界は明るくなる。漂うマナは円やかに優しくなる。彼女の美しい感情に世界が揺り動かされ、彩られる。 けれど、自分の唇も綻んだ事には気付かなかった。