「墓を作ってやれば良かった」
総ての終わりに、ユアンは膝を着き、穏やかな風に言葉を乗せた。
「そうすればミトスも、いつか彼女の死を受け入れたかも知れん」
そしてミトスのほかには私が、私だけが墓を掘る資格を持っていただろうに。
静かな嘆きに、かつて同志であり、長い時の間一度は道を違え――結局友であった男が応えた。
「この大地こそ彼女の墓標そのものだった。だからお前は地上に降り、あれは戻らなかった。そうではないか」
芽吹いたばかりの葉に通う温かなマナは、柔らかく輝いて見えた。それは、かつて傍らで輝いていた少女と少年の煌めきを二人に思い起こさせた。
ならば良いのだろう。同じ星に楔として眠るのであれば、二人も淋しくあるまい。