三人の進む道は果てと言うものを知らぬようだった。
だから、と彼に懇願したのはマーテルだ。
火の番に立つのは、自分でなければならぬ――とまで頑なに思っていたわけでない。しかし、と彼はこうも思う。ミトスは成長期の子供で、マーテルはか弱い女性だ。と言うのは別段弱者の保護を気取っているのでなく、何事か異変があった際に、対処できる力を持つのは自分だけだと言う認識だった。
ゆえに彼が眠るのは小半刻。
「夜と、朝の、狭間だけ」
人でなくエルフでもない彼等と同じ、そんな時の間を。
「君に託す」
そしてマーテルが守る優しい時間が、ユアンの瞼を閉じさせた。