御使いの名を冠せられる事には、正直戸惑いがあった。 「神様なんていないよ」 少年は強く主張する。 「もしも世界を左右する程の力のことを言うなら、それはマナでしかないし、誰か一人のと言う狭義なら、ボクにとってそれは姉さまだし、あるいはクラトスなんだ」 それだけ慕われるのは喜びでもあったが、神に列せられるのは一層肩身が狭い。そう思い、クラトスは天使の名で呼ばれる事を甘んじる気になった。