子供時代を思い出そうとすると、あの日の光景が蘇り、それ以上時を遡る事は決して出来ない。 記憶ごと過去を消し去ろうとすれば、今も変わらず降り注ぐ赤い雪が、現在の自分に繋がる操り糸であることに気付かされる。 破り捨て。 引き千切って。 糸をすべて断ち切ったとしたら、さて、そこに立っているのは誰なのだろう。