爪先で突けば、それは野に転がった。 冷たく暗く愛しい地中に在れば、こんな結果にはならなかっただろうに、何故彼は太陽を目指したりしたのだろう。 「太陽に当たると死んじまうんだろ?」 覗き込んだロイドがそう言ったことに、衰退世界の学識レベルへ思いを馳せ、ゼロスは笑った。 彼を殺すのは太陽の光でない。 「モグラは太陽が嫌いなわけじゃねーんだよ、ロイドくん」 むしろ好きなのかも知れない。そうだ、焦がれてすらいる。 だが── 「光だけじゃ生きられないのさ」