天の響

ゼロスファンに30のお題

後悔(クラトスルート)

 それだけは彼と似た薄氷の瞳が緩々と闇で染まる。空虚な穏やかさを敷いた墓碑を映して。
 やがて、少女は苦悩に塗布された吐息の先で呟いた。
「私、お兄さまを殺して差し上げたかった」
 それが救うと言うことだったのならば。

2005/02/21 初出