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ミュージカル「Thrill me」15:30回。
4組用意されている出演者は、私@田代万里生と彼@新納慎也の初演コンビです。

銀河劇場は、ビル内のとてもこじんまりした劇場。とにかく舞台が近くて迫力がありました。こういう作品のためには、オペラなしで役者の表情が見えるという点が必須で、そこは良かったです。
ただ、舞台の小ささに対して客席が左右に広がっているため、位置によっては見難そうですね。

2人の役者とピアノ奏者しか出て来ない、約1時間半のミュージカル。
1924年に実際に起きた少年誘拐殺人事件を基に、2人の青年がなぜ犯行に及んだのかを紐解いていく愛と狂気の物語。
去年の公演の評判があまりに高く、再演のチケットもあっという間に完売。今回会場が大きくなっての再々演でようやく観ることが出来ました。
期待通り、濃密で息をつかせぬ舞台でした。
ただ、ラストはどう受け取っていいのか、少し自分の中で消化できていない感じです。

田代万里生は、表情によってガラリと印象が変わるので驚きました。仮釈放委員会での50代の「私」と、回想シーンでの19歳の「私」がまったく違う雰囲気であることは勿論、「彼」との関係によって顔付きがどんどん変わるので、「こんな役者だったっけ?」と何度もビックリしました。
正直、最初の回想時点で「私」は「彼」のことを好き過ぎて気持ち悪い、と思ってかなり引いていたのですが(笑)、形が奇怪しくても、確かに「私」は「彼」を愛しているのが良く伝わりました。
新納慎也は芸達者なので、サディスティックな面も、実は恐がりな面も、1人の青年の自然な一面になっていました。歌い上げたときの声も、彼の方が好みです。
しかし、全体的に「私」のウェイトが大きいこともあり、田代君から目が離せない舞台でした。

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