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文化庁主催事業 平成26年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業「現代舞踏新進芸術家育成Project2 2014 時代を創る現代舞踏公演」@渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(19時〜21時)。

……公演タイトルが長すぎて、打ってる途中で疲れました。
モダンダンスには苦手意識があり、あまり縁のない世界でしたが、誘っていただいて観覧。結果としては、なかなか面白かったです。ただ、芸術よりエンターテイメントが好きな私としては、もっと「観客を楽しませる」「気持ちよくさせる」ように作ってあれば良いのに、と思う面もありました。
踊りの良し悪しは分からないため、以下の感想は個人的な好みで書いています。
(24日〜26日音の公演ですが、日によってすべて違うプログラムのようです)

鈴木いづみ「標本〜沈黙は語る〜」

幕開きの、片足で身を屈めたポーズの凄まじさが印象に残りました。標本にピンで刺されてもがいている虫、を連想しましたが、短絡的な捉え方でしょうか。

高岡由美「ありふれた日常 day&night」

衣装が凝っていて、全員同じ柄と無地の2つの布を使っているのに、一人一人デザインが異なりました。
音楽や振り付けは、土着的な要素を感じました。

池田素子「As Is / To Be」

苦手な作品だけれど、怪作だと思いました。
9割は非常に耳障りな音と謎の動きで構成されており、反応に困りましたが、終盤に歌が流れ、最初に踊った動きのモチーフが繰り返されると、歌詞を表していたんだと感じて、衝撃を受けました。
たった一人で、会場を支配していたと思います。

稲葉厚子「絡流 -終わること それは始まり-」

3作目でどっと疲れていたところに、似たような導入だったので少し印象が薄め。
死と再生(ラストは胎児)だと思うのですが、途中タンゴ風の箇所があったりして、いまひとつ定まりませんでした。

飯塚真穂「鳥が啼く 夜の淵」

花を散らしたり、全体的に演出が過多な作品。
ダンサーは4人ですが、スクウェアの照明で舞台を小さく切り取って使うことで、非常に密度を感じました。

前澤亜衣子「space a space」

意外とコミカルで現代的な雰囲気の作品。
若干マイム要素があったり、男性も参加していて、他のものと違う面白味はありましたが、主題が見えなかったのが残念。

桑島二美子「光抱く人」

冒頭に、フィルム映画を想像させるような、暗転の間があり、惹かれました。絵面としては一番ベーシックで美しかったと思います。

菊池尚子「Seep」

人数が多く、何種類もリフトが入るので大変迫力がありました。
一見、裸体に布を巻いただけに見える衣装でドッキリしましたが、不思議とエロスより気味の悪さがありました。
トリのためか、少々長く、最後は集中が切れてしまいましたが、見応えはありました。

「NHKバレエの饗宴 2014」
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20140329_151331.html

Eテレクラシック音楽館で放送されたものを、首藤康之氏が出演しているので録画しておいて観ましたが、予想より面白かったです。

  • スターダンサーズバレエ団「スコッチ・シンフォニー」
  • アルトノイ(島地保武&酒井はな)「3月のトリオ」
  • 首藤康之&中村恩恵「The Well-Tempered」
  • 貞松・浜田バレエ団「ドン・キホーテ」第一幕
  • 吉田都&フィリップ・バランキエヴィッチ「ラ・シルフィード」
  • 東京シティ・バレエ団「ベートーベン 交響曲第7番」

の6演目。

と言いつつ、実は、目当ての「The Well-Tempered」が終わった時点では不満8割でした。
とにかく照明が暗く、肝心の踊りがよく見えないのです。
演出上わざとしていることは分かりますが、踊り手の体の半分くらいが背景と同化していると、何とも評価できません。
正直、長さばかり感じて眠くなりました。

「3月のトリオ」は、主に島地保武氏の身体能力に驚嘆。チェロ一本の伴奏も素敵でしたが、ちょっと難解過ぎた気がします。

同じく、難解さでは負けていないのが「The Well-Tempered」ですが、こちらの方が表現しようとしている物が感じ取れたと思うのは、単に演者への贔屓目でしょうか。
中村恩恵さんの情感溢れる演技が、世界観を作っていたと思います。
それだけに、とにかく明るくしてくれと心から願いました。下手に照明を薄暗くして演出しなくても、2人はパフォーマンスで愛と哀愁を表現しているのに、残念です。

「ドン・キホーテ」からようやく照明が明るくなり、ストレスから解消されて、以降は気持ちよく観られました。この作品に関しては踊りのレベルはどうか?と思うところもありましたが、全体的に、演出も工夫してエンターテイメントとして客を飽きさせないように作っていると思いました。

吉田都さんの「ラ・シルフィード」は、さすがに美しく、柔らかく、軽やかな妖精でした。モダンやコンテンポラリーダンスの方と純粋に比較はできないけれど、やはり古典を演じてもらうと、巧さがよく分かりますね。

しかし白眉は東京シティ・バレエ団の「ベートーベン 交響曲第7番」。
音のモチーフの繰り返しは、踊りも繰り返しで表現するなど、正に音楽をそのまま踊りにしている具合が面白かったです。
単にクラシック音楽を聴くだけだと寝てしまうような層も、こういう融合芸術だったら面白く観られるのではないでしょうか。

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先週のロシア行きの際、ミハイロフスキー劇場@サンクトペテルブルグにて、バレエ「ジゼル」を鑑賞しました。

教わらなければ劇場と思わなかったほど地味な、一見アパルトマンのような建物。それがミハイロフスキー劇場の第一印象。
ところが、中に入るととても愛らしく豪奢な劇場でした。
オーケストラの編成もしっかりした規模で、音楽が非常に良かったです。
こじんまりしたサイズで、推定収容人数は、5階まであるバルコニー席を含めても800席程度。舞台が見やすそうな席数ですが、1階席の床は緩やかな傾斜があるだけ、しかも升目状に椅子を並べているため、前に座る人の頭が障害物になる構造でした。人生初レベルの前方席だったのに、肝心のジゼルの死の瞬間が見切れましたよ……。
客席はほぼ満席。観光客も多いのでしょうけれど、ロシア人は舞台が好きなのかな、と少し親近感を覚えました。

クラシックバレエを鑑賞するのは子供時代以来です。バレエというのは舞踏だと思っていましたが、大人になって観ると、意外なほど演劇チックで、わかりやすい演出(※1)もついていて、踊りというより「お芝居」になっていることが良く分かりました。
つまり、バレエは感情表現として踊る芝居なのですね。
感情表現として歌い踊る芝居(ミュージカル)が大好きな私としては、非常に面白く感じられました。
特にジゼル役のプリマバレリーナは感情表現が非常に分かり易く、役者として非常に魅力的でした。

※1
セットや衣装、ジゼルが占いをする花などの小道具が多数。更に、ウィリーが登場する前に火花が散る演出があったり、3匹の生きたボルゾイ犬が登場するのには客席もどよめきました。