「NHKバレエの饗宴 2014」
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20140329_151331.html
Eテレクラシック音楽館で放送されたものを、首藤康之氏が出演しているので録画しておいて観ましたが、予想より面白かったです。
- スターダンサーズバレエ団「スコッチ・シンフォニー」
- アルトノイ(島地保武&酒井はな)「3月のトリオ」
- 首藤康之&中村恩恵「The Well-Tempered」
- 貞松・浜田バレエ団「ドン・キホーテ」第一幕
- 吉田都&フィリップ・バランキエヴィッチ「ラ・シルフィード」
- 東京シティ・バレエ団「ベートーベン 交響曲第7番」
の6演目。
と言いつつ、実は、目当ての「The Well-Tempered」が終わった時点では不満8割でした。
とにかく照明が暗く、肝心の踊りがよく見えないのです。
演出上わざとしていることは分かりますが、踊り手の体の半分くらいが背景と同化していると、何とも評価できません。
正直、長さばかり感じて眠くなりました。
「3月のトリオ」は、主に島地保武氏の身体能力に驚嘆。チェロ一本の伴奏も素敵でしたが、ちょっと難解過ぎた気がします。
同じく、難解さでは負けていないのが「The Well-Tempered」ですが、こちらの方が表現しようとしている物が感じ取れたと思うのは、単に演者への贔屓目でしょうか。
中村恩恵さんの情感溢れる演技が、世界観を作っていたと思います。
それだけに、とにかく明るくしてくれと心から願いました。下手に照明を薄暗くして演出しなくても、2人はパフォーマンスで愛と哀愁を表現しているのに、残念です。
「ドン・キホーテ」からようやく照明が明るくなり、ストレスから解消されて、以降は気持ちよく観られました。この作品に関しては踊りのレベルはどうか?と思うところもありましたが、全体的に、演出も工夫してエンターテイメントとして客を飽きさせないように作っていると思いました。
吉田都さんの「ラ・シルフィード」は、さすがに美しく、柔らかく、軽やかな妖精でした。モダンやコンテンポラリーダンスの方と純粋に比較はできないけれど、やはり古典を演じてもらうと、巧さがよく分かりますね。
しかし白眉は東京シティ・バレエ団の「ベートーベン 交響曲第7番」。
音のモチーフの繰り返しは、踊りも繰り返しで表現するなど、正に音楽をそのまま踊りにしている具合が面白かったです。
単にクラシック音楽を聴くだけだと寝てしまうような層も、こういう融合芸術だったら面白く観られるのではないでしょうか。