• 2013年08月登録記事

宝塚月組「ルパン/Fantastic Energy!」11:00回を観劇。

トップスターが龍真咲に代わってから、初めての月組観劇です。
久し振りの月組に関しては“スター格の生徒が全員歌える”ことが素晴らしいと思いました。“歌劇団”を名乗るなら、各組主要キャストはこのくらいの歌唱力を備えて欲しいものです。

まずは芝居「ルパン −ARSÈNE LUPIN−」。
原作「ルパン、最後の恋」の感想は、2013年4月24日記事参照
原作にないキャラクターを加えたり、展開を変更していましたが、全体的には原作と同様、粛々と進む作品。良くも悪くも、正塚先生らしい地味な舞台でした。
年齢設定は曖昧にされ、結果として演者の実年齢に沿った「美青年たちのお話」になっていたため、国家レベルの陰謀というほど大きな事件には感じられなかったのが残念です。月組のフレッシュ感と兼ね合う、軽い作品が宛書きされると良いですね。

ショー「Fantastic Energy!」は、中村一徳先生の定番パターンで歌いまくり踊りまくりの1時間。トップスピードで駆け抜けた印象で、発散できて非常に楽しかったです。
主要キャスト全員にソロ、銀橋、見せ場があり、スターを点呼するだけでもワクワクしました。

以下、キャスト評です。
ルパン@龍真咲は、しばらく観ない内に、真咲節というべき一癖ある節回しが成長(悪化)。ルパンというキャラクターには読者個々のイメージがあるため、少々難易度が高かったですね。ルパンではなく、ただのアルベール・ド・サブリーであったなら、評価できるのですが……。
マント捌きが綺麗なのは驚きました。
芝居で出遅れた分、ショーは攻めてきて良かったです。「格好よさ」と「カワイ子ぶりっこ」が半々な1人銀橋シーンが特にツボでした。

認識して観るのは初めての、カーラ@愛希れいか。決して美人ではないけれど、可愛いかったです。
高貴の身だけれど気さくな雰囲気で、親しみが持てる女性を巧く演じていました。
ショーでは、きびきびとした切れの良いダンスが男前。男役に対しては、一歩退いて尽くしている感じがしましたが、元男役という押し出しの強さを持つ娘役なので、前に出て来ても良いのでないかな、と思いました。

ルブラン@北翔海莉は、専科から特別出演という名に恥じぬ、実力の違いを見せ付けました。
芝居は、立ち位置が中途半端な役。主人公とヒロインのラブシーンにおいて、傍観者としてその場にいる、という絵図には唖然としました。最後のキスシーン前に、ルパンがルブランがいないことを確認するオチはウィットが効いていたけれど、その為に作中のラブシーンに違和感を残すほどの意義はないと思います。

目下、組内二番手争い中と思われる2人、まずドースン@凪七瑠海は、驚くほど巧くなっていました。月組だと華奢な体型も目立たず、今回の組替えは良い方向に転ぶのでは。
ヘアフォール伯爵@美弥るりかは、出番と台詞の割にしどころのない役で勿体ない使われ方。あれこれ註釈する必要なく美形でした。

トニー・カーペット@沙央くらまは、珍しく悪役。“カーラが拒絶して当然”な気味の悪さがありました。もし彼がスターらしく格好良く作り込み、横恋慕キャラの悲哀を演じてしまうと、物語の善悪が歪むので、これが正解だと思います。
なお、原作では思いもしなかったのですが、オックスフォード公@宇月颯のカーペット依存が激しく、この2人で小話が書けそうな気がしました。

美味しかったのは、月組生え抜きコンビ、ガニマール@星条海斗フラヴィ@憧花ゆり。ガニマール警部がルパン大好きなコミカルキャラクターとして描かれて驚き、フラヴィエ判事が原作からこんな変貌したことも驚きましたが、月組が誇るコメディエンヌの絶妙な掛け合いが楽しめました。
ビクトワール@飛鳥裕ヘリンボーン@越乃リュウも、同様にコンビ芝居が良かったです。

「人殺し3人組」は、早い段階でルパンに降参して手下扱いになっていました。
リーダー格のフィナール@光月るうがなかなか巧み。
プス・カフェ@紫門ゆりやは、ナイフを取り出したときに腰が引けているヘタレになっていましたが、役者に合わせていて良かったです。
ドゥーブル・チェリク@綾月せりは、ビジュアルで差別化を図り、印象を残しました。

ジョゼファン@珠城りょうは、安定感と落ち着きがあり、もう若手の域を超えていると思いました。でも倒れ込むのは下手で、ちょっと安心(笑)。

最後に、芝居の道路作りシーンで最初に歌い出す男役(蓮つかさ)が素晴らしい歌唱を披露し、感動しました。

夢枕獏著「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」全4巻

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
遣唐使として唐に辿り着いた空海と橘逸勢は、皇帝を呪詛する妖物騒動に巻き込まれる。空海は呪詛が安禄山の乱における楊貴妃の死に由来すると喝破し、過去の因縁を明らかにして唐王朝の危機を救う。

主人公・空海のみならず、歴史上の人物が何人も登場し、楊貴妃にまつわる謎を、オカルトを交えつつ解き明かして行く伝奇小説。
猟奇描写や、ときおり混ざる漢文が不安要素でしたが、非常にスムーズに読めました。
色々な謎がすべてある一点で集約されるのに、物語を書き始めた時点では、先の展開が決まっていなかったという作者あとがきに驚かされます。

謎が一番高まるのは2巻で、3巻まで読むと大体の筋は見えて来ます。明かされるまで分からなかったのは、大猴の正体だけでした。4巻は半ばで怪異との決着が着き、後は密教伝授や帰国に関する下りとなるため、最後はややトーンダウン気味かもしれません。
しかし、最後は晴れ上がった空を思わせる気持ちの良い締め括りなので、最終的には面白かったな、と感じさせられました。

空海と橘逸勢は、ホームズとワトソンのようなコンビ。逸勢が共感できる良いキャラでした。
特に気に入ったのが、序盤にある下記のやりとりです。

「正直に言えよ、空海。正直に言って俺を安心させろ」
「何を正直に言えばよいのだ」
「おまえが、自分のことを、特別だと思っているということをだ。自分は、他人とは違うと、おまえは思っているはずだ」
「ははあ」
「よいか、空海、この逸勢でさえ、自分は他人とは違うと思うているのだぞ。おまえのような人間が、そう思うてないわけがないではないか。おれが、自分のことを特別な人間と思うているのに、ぬしのような男が、自分のことを特別だとも何とも思うておらぬというのであれば、おれは困ってしまうではないか——」

1巻より引用

空海の天才性を際立たせる為、巻を追うごとにヘタレキャラに書かれていたのが残念です。

最後に、些細な事ですが……
作中、重要な小道具として2つの手紙が登場します。この手紙については、普通、同じ現場にいた人物宛の手紙で当時の状況や人物を詳しく説明したり、見聞きしたことを物語風に仕立てて書いたりはしないだろう、と突っ込みたくなりました。

スーザン・ハーバート画「猫の美術館」

既存の絵画の人物を猫に置き換えた、31枚のイラスト集。
私はイヌ派ですが、楽しめました。
有名作品は4割くらいで、意外と知らない元絵が多かったです。本物はどんな絵なのだろう、と興味が湧きます。権利問題等で難しいのでしょうが、一緒に元絵が載っていたらもっと面白いでしょうね。

ゴッホ
(画面注釈)ゴッホの自画像……ならぬニャン像の一部

遊び心だけでなく、ちゃんとタッチも似せていて、見応えがあります。
犬バージョンが欲しいなぁ。

現在地:岩戸山クリア

前回、リサを問い詰めるべきだと書いたのですが、直後の展開でリサが自白しました。その過程で、以前から疑問に思っていたことが色々解決しました。
また、ようやくイデアル先生の話も聞くことが出来ました。しかし、この「世界」内においては事実だとしても、単に思い込みが激しい人のような気がします。「噂」がなければ、結局「イン・ラケチ」が事実だったとは証明できないわけで、ということは結局は想像の産物だったのかも……?
最序盤で登場した、時計台で亡くなった先生がどういう人物だったのか、ここで繋がってきて、おっと思いました。「イン・ラケチ」は「私はもう一人のあなたである」の意味だというのですが、それはつまり「ペルソナ」を指しているのでしょうか。

ジョーカーの正体は説明書の時点で予測できていましたが、舞耶と「お姉ちゃん」は私の中で全然繋がっていなかったため驚きました。
私、実はジョーカーは別次元の存在(だから達哉たちは罪を知らない)かと思っていたのですが、大外れですね。
他にも色々明かされました。
子栄吉が、太り気味で鈍臭い、まさに「イエロー」なキャラだったとは!
そして、達哉たちも、やはりペルソナ様遊びをしていたのですね。
しかしパーティメンバー5人中4人が「10年前の知り合い」になると、ゆきのさんの除け者感が凄い強まりますね。

ボス・シャドウ舞耶が非常に強く、戦闘時間が非常に長引きました。最近、雑魚戦も厳しいのですよね。レベル上げを真面目にするか、いっそ難易度をイージーにすべきか悩んでいます。

「ライセンスキャラクター消費者調査」という年度ごとの資料があります。
http://www.voice-joho.com/Search.htm

年代、性別ごとにどのようなキャラクターが人気なのか等、マーケティングリサーチの結果がまとめられた本です。
……と、さも熟知しているかのような説明ですが、個人で買うには高過ぎるため、残念ながら中身は読んだことがありません。

調査対象はディズニーやサンリオなどのキャラクター商品だと思っていたのですが、2013年版の調査対象を確認して大いに驚きました。
「天元突破グレンラガン」「Z.O.E」「STEINS;GATE」「僕は友達が少ない」など、随分幅が広いです。どうやらマスコット的なキャラクターのみでなく、萌えキャラクターも対象になったんですね。
キャラクター産業も様変わりしたものだとつくづく思います。