• 2012年08月登録記事

世紀の駄作じゃなかった!――らしいです。

散々気を揉んでいた「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」は無事初日が終わったそうで、早くも東京公演が待ち遠しいです。
お披露目初日なので、現時点の感想は熱烈な宝塚ファンのものが大多数。評価が良くても原作ファンの視点とは違う可能性がある、と思っていますが、原作ファンの某Oさんから頂いた報告も好評な手応えだったので安心しました。

秘かに、人物相関図にスチル写真が追加されたので、こちらを眺めながら10月まで指加えて待っています。
http://kageki.hankyu.co.jp/ginga/correlation.html
……さすがにルビンスキーは禿げじゃなかったかぁ。

今更ですが、面白いと聞いたので、「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の体験版を遊んでみました。
http://danganronpa.com/

難易度EASYで、しかも学級裁判パートのみを選択。
裁判ものという括りから、逆転裁判的なゲームを勝手にイメージしていた通り、相手の発言の矛盾を指摘するという基本ラインは似ていました。
学級裁判が始まる前に、自分の手札となる「言霊」を入手しているため、ある程度問答の流れが想像できますね。体験版だからという要因はあるでしょうが、各ウィークポイントに対応する言霊がどれかは、まったく悩みませんでした。
裁判中に、特定のキャラと一対一で戦う「マシンガントークバトル」なる、ミニゲーム的な要素が入ってくるのは、学級裁判を単調にしないためなのでしょうが、操作に戸惑いました。
とは言え、あれだけ贅沢に音声がついて、半リアルタイムで裁判が繰り広げられるのはなかなか新鮮でした。

体験版では主人公の部屋で殺人が起きた状態のため、他のキャラクターから容疑を掛けられている所からスタート。そんな状態なので、友好関係は望めないとしても、犯人を主人公と断定してくる腐川冬子には苛々させられました。あの子、体験版のタイトル画面で主人公と並んで表示されていたのですが、ヒロイン扱いなんでしょうか……。
ちなみに、大山のぶ代さん演じる白黒の怪しいクマ「モノクマ」は、どう聞いても国民的アニメの猫型ロボットでした(笑)。

佐藤亜紀著「モンティニーの狼男爵」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
人見知りの男爵は、莫大な年金を持つ娘ドニーズとの見合いの席で彼女に一目惚れした。だが結婚後、ドニーズは伊達男ルナルダンに惹かれ、男爵は嫉妬から狼に変身するようになる。ルナルダンの策略で狼姿の男爵は売り飛ばされてしまうが、策略を知ったドニーズは男爵を迎えに行き、2人は元の鞘に収まる。

実に不思議で滑稽で優雅な小説。
男爵はなぜ狼に変化できるようになったのか、理屈はまったく明かされないし、最後まで読み切っても、これで三方丸く収まったと思えずスッキリしませんでした。
でも、家来や村人が変身した狼を男爵だと疑いもなく認識しているのが、この不思議な世界観にあっていて面白いのです。何度か「狼」を比喩なのかと考えましたが、見世物小屋のシーンもあるし、狼化しているのは間違いないんですよね。
語り手である男爵は、ヘタレだし他人の気持ちが汲める人でもないのだけれど、心情が読み手に赤裸々なので好感の持てる人柄でした。語りが足りないと思う箇所も多かったけれど、ちょっと独り善がりで他人との距離感が巧く取れないこの男爵なら、仕方ないかな、と思ったり。
キャラクターとして魅力的なのは、神父でありながら放蕩者という男爵の叔父と、狼と化した男爵を招き入れるブリザック夫人ですね。肝心のドニーズは、何処が良いのか良く分からなかったけれど、恋とはそういうものと思えば納得です。

将臣恋愛エンドを迎えました。
九郎と将臣のシナリオが一番長そうだ、と思って八葉最後の攻略対象に回したのですが、もっと早い段階でクリアすべきキャラだったのかも知れません。既に将臣の正体を知っている望美が、初めて知ったかのような展開になってしまい、ちょっと残念でした。もしかして、記憶喪失?(苦笑)

今回は四章に戻って、以後の章を順にやり直しました。
個別ルートは五章からで、早いのでビックリ。他のキャラで五章から個別ルートだったのは、ヒノエくらいかな? 早くから個別ルートに入る割に、一章ごとが割と短く、且つ自動的に進行するので、お話が長かった印象はありません。
その分、エンディングは生存中のオールキャラ出演でボリュームがあり驚きました。
スチルだとかなり本気の「南国」でしたが、何処まで行ったのでしょう? 私はずっと沖縄だと思っていたのですが、将臣が「行った事がない」と言っていたので、もっと先なのかなぁ。でも、おまけエピソードだと行き来不能という感じでもないので、距離感が掴めません。
見送りにあたって、生活の知恵を授けてくれる先生が面白かったです。

将臣攻略と関係ありませんが、今回の四章で初めて発生した龍神温泉で恋話をするイベントが面白くて、このゲーム中初めて本気で笑いました。
盗み聞きしている男共の反応が見たくて、全員チェックしました。
景時の反応が一番リアルな感じで好きですね。
白龍は子供なので、みんな脱力しつつ笑っている印象でしたが、大人白龍でこのイベントが起こせたなら、ちょっと違ったのかな。
そして、朔は基本的に譲推しなんだなぁと思いました。弟妹という立場で共感するところがあるのでしょうか。

大崎梢著「配達あかずきん −成風堂書店事件メモ−」

本屋で起こった小さな謎を描いた「日常ミステリ」短編集、成風堂書店事件メモシリーズ第1弾。
ミステリは不得意な私ですが、多少の事件はあっても死人が出ない本作は楽しく読めました。
また、ミステリであると同時に、お仕事小説ジャンルでもあるんですよね。私も就職試験の時には書店含む出版関連を何社か受けましたので、もし書店に勤務していたらこんな風に仕事していたのか、と
ワトソン役の主人公・杏子とホームズ役の多絵がいいコンビな他、脇役たちも好感が持てるキャラクターでした。

この1冊には5作収録されていますが、それがすべて毛並みが違う物語なのが凄いです。本好き・書店好きならば、どれか一つは好みに合うのでは。
ただし私の場合は、1話「パンダは囁く」が最高ヒットで、以降順番に面白さが下がっていった感があったのが残念でした。5話目の「ディスプレイ・リプレイ」は、犯人もオチも見えてましたしね。
でも、4話目の「六冊目のメッセージ」は、登場する本が読みたくなる良いお話だと思いました。ちなみに、麻生が読んだことのある本は「宙の旅」「夏への扉」で2勝3敗でした。