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五十音順キャラクター・ショートショート【か】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 空の左手を握り締め、景時は密かに息を吸った。
 思えば、頼朝と正面から向かい合うのは久し振りだった。京と鎌倉という距離だけが問題ではない。覇王の冷徹な瞳に映る卑小な自分を見たくなくて、景時はずっと視線を逸らしていたからだ。
 いま、久しぶりに見た頼朝の中の自分は相変わらず小さな存在だけれど、今の景時はその事実に耐えていられる。
 頼朝よりもっと大切な存在、神子が、景時を一番にしてくれたからだ。
 右手には白銀の光を放つ鱗がある。これは彼の神子の最強の切り札、白龍の逆鱗。臆病な自分に預けられた、いささか重過ぎる神子の信頼の証だ。
 ――でも、俺は直ぐ浮き足立っちゃうから、これくらい重いほうが有難い。
 そして、景時は左手に握る自身の『空の切り札』を場に出した。

賭け
……梶原景時(ゲーム「遙かなる時空の中で3」)


景時恋愛エンド。
この時の景時は恐怖を克服していても良いし、実は物凄く内心ビクビクしていても良いよなぁと思います。

「か」から始まるキャラクターは、数人分ネタも含めて浮かんでいたので、またこういう機会があれば書いてみたいです。

遅くなりましたが、PSP「遙かなる時空の中で3with十六夜記 愛蔵版」総評です。
http://www.gamecity.ne.jp/haruka3/izayoiki/psp/

KOEI The Best(廉価版)になったら買おう、と思い続けて3年。その気配がないので仕方なく通常版を買ったのですが、お値段以上遊べる納得の一本でした。

PSで発売された「遙かなる時空の中で3」と、追加ディスク「十六夜記」を1本にまとめた製品。
源平合戦を下敷きにした異世界トリップ恋愛物。
シナリオは、とにかく二周目までのストーリーの引きが巧いです。一周目は必ずバッドエンドに至るため、やり直しを願う主人公の気持ちと、運命上書き=再プレイというゲーム上のシステム(セーブ&リセット&ロードまで含めて)が自然にリンクするんですね。いずれかのエンディングに辿り着く二周目までが実質一周目だと思いました。
ただ、周回前提なので、良くも悪くもシナリオを長く感じました。共通のシナリオ部分を繰り返している内に、ダレてしまうのです。
八葉+サブ三人+隠し一人という全十二人を攻略するだけでも十二周必至なのに、別ルートの蜜月エンドまであるのは、サービス精神旺盛というより過剰だったのかも。フルコンプしようと思うとプレイが苦痛になりゲームへの評価が下がりそうだったので、恋愛エンドのみで諦めました。
ただし、恋愛対象キャラクターに入れ込めたらもっと飽きずに楽しめたとは思うので、この辺は恋愛体質じゃない私の問題かも知れません。

どうしても書き残しておきたい不満は、望美が将臣の正体を知っている状態で将臣ルートに進んだ場合の違和感(2012年8月26日記事参照)。
それと、譲ルートの逆鱗復活はご都合過ぎて残念でした。
要望としては、細かいイベントでも、何度も繰り返しているモノは望美がもっとサラリと流すようになると良かったと思うのですが、さすがにそこまで望むのは贅沢ですかね。

戦闘は、円陣をどう組み、どの敵に対してどんなメンバーで挑むかと考えさせる点で戦略性があり、手応えを感じました。基本的には弱点を突くだけですが、自分なりのベスト円陣が決まるまで、色々試行錯誤しました。
ただ、望美一人の時は敵も一体しか出現しないように調整されているようですが、望美(木)・将臣(木)・知盛(金)で金属性の敵が登場すると、プレイヤーの力では左右できない点で長期戦になるのが厳しかったです。
※木属性は金属性に弱い。同属性は攻撃力が削がれるor回復する。

スチルには首を捻る物もありましたが、綺麗だと思いました。全体的に、色使いが上品で素敵なのが好みでした。
ビジュアル面を台無しにしてるのは、アニメですよねぇ(苦笑)。

ケチも付けましたが、恋愛ゲームを遊びたいシナリオ重視のRPG好きさんであれば、普通にお奨めできるゲームでした。
また少しシナリオを忘れた頃に、蜜月エンド攻略したいです。

四章と終章だけやり直して、大人白龍エンドを迎えました。スチルや音声データは別でも、シナリオ上は子供白龍と同じ扱いらしく、台詞は全部既読スキップで素っ飛んでしまいましたが(笑)。

その白龍の攻略メモに、五章をやり直すと新しい展開に進めるとのヒントが出現したので、五章をやり直してみました。
福原で和議を成立させるという展開で、和議前夜イベントとして攻略対象のみならずサブキャラまで選択肢が用意されている、なかなかの手厚いサービスルートでした。
が、和議の場で清盛と荼吉尼天が対決し、八葉たちを連れて現代に戻ってしまうというエンディングは、本当に「大団円」扱いで良かったのでしょうか。その後の京の状況も気になります。

後略対象としては銀と知盛、更に蜜月エンドを残していますが、また平泉に行くルートをやり直す気力が湧かないため、次回、総括感想で一旦エンドマークとさせて頂きます。

白龍エンドを迎えました。
大人白龍とのエンドもあるようですが、今回は龍神と子供に分離した白龍と現代に戻るパターン。大人白龍は、中身が子供過ぎてどうも気恥ずかしかったので、こちらに落ち着きました。
凄い気の長い逆光源氏計画だけれど、まぁ望美本人が満足しているから良いのかな。友達は確実に一歩退いている感じがしましたけれどね(笑)。

と、いきなりエンディング感想から語ってしまいましたが、一応プレイ内容もお話しします。
いつも通り、前回クリアした朔エンドのデータからやり直しました。
まず攻略メモを確認したところ、白龍ルートは四神入手が前提条件だと判明。これまでのプレイで青龍、朱雀、白虎を入手済でしたので、玄武を確保するため、五章をやり直して六章で倶利伽羅へ。玄武を入手したら、その足で五章に戻り、六章は改めて鎌倉へ進むことにしました。
こうしてみると、五章は何度もやり直していますね。既読スキップがもっとスムーズだったり、高速だったら良いのにな、と思います。

鎌倉では、予期せず敦盛の蜜月が満ちるハプニングが発生し、白龍ルートに進まないのではと危惧しましたが、ちゃんとイベントが発生しました。
白龍の神力が強くなったことが望美の負担になり、新しい神子として政子が候補になるという展開。望美を苦しめることに白龍が自分の力を封印してしまうのでは、と疑っていたのですが、さすがにそこまで暗い展開ではありませんでしたね。正直、私が望美の立場なら、可能なら代わってもらいたくなると思うのですが、茶吉尼天である政子に白龍の力まで与えるのはNGですよね。
ということで、作為的に白龍を繋ぎ止めて、後は展開を普通に楽しみました。
でも、まさか白龍専用ルートが終章のみとは予想外でした。朔でも二章分あったのに! まぁ、その代わりエンディングパターンが2つあるのかしら。

朔と黒龍という前例があるため、景時さんが忠告にきてくれるのは心に沁みました。
それに、黒龍の逆鱗に関して朔が反応してくれるのも嬉しかったです。朔のエンドと両立できるなら、望美は子供白龍と現代に、朔は子供黒龍と京で暮らせて大団円なのになぁ、と思いました。

朔エンドを迎えました。

朔は絆の関の数が少なく、既に四章分までは回収できていたので、間章に戻り、将臣ルートに入らないように選択肢を変えて五章へ進む方法で、七章から個別ルートに入りました。
追い詰めて怒らせることで個別ルートに進むのは、心臓に悪かったです。親友との初めての喧嘩、と思うと熱い展開なのですが、その場で朔は失踪してしまうし、再会した段階では既に落ち着いているので、あまり盛り上がらなかったかな。
七章の次は、直ぐ終章と、お話としては短めでした。終章は、もはや朔が主人公のような展開でしたね。
ちなみに、最後の選択肢は結構本気で「いいよ、朔がそうしたいなら…」にしてみたのですが、ちゃんと自分で立ち直ってくれたので安心しました。

黒龍は、見た目は大人白龍の2Pカラーですが、朔の発言を真に受けると白龍とはだいぶ性格が違いますね。
エンディングに関しては、主人公は何の説明も無く現代に戻されるし、新しい黒龍が存在するので応龍が生じていないのでは?と疑問が残って、いまいちスッキリしませんでした。
それとこのルート、知盛が生存している可能性がありますね! 舞台までの道程で戦うと思い火属性の2人を円陣に固めておいたのに、登場しないまま終わったので逆にビックリしました。