五十音順キャラクター・ショートショート【か】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 空の左手を握り締め、景時は密かに息を吸った。
 思えば、頼朝と正面から向かい合うのは久し振りだった。京と鎌倉という距離だけが問題ではない。覇王の冷徹な瞳に映る卑小な自分を見たくなくて、景時はずっと視線を逸らしていたからだ。
 いま、久しぶりに見た頼朝の中の自分は相変わらず小さな存在だけれど、今の景時はその事実に耐えていられる。
 頼朝よりもっと大切な存在、神子が、景時を一番にしてくれたからだ。
 右手には白銀の光を放つ鱗がある。これは彼の神子の最強の切り札、白龍の逆鱗。臆病な自分に預けられた、いささか重過ぎる神子の信頼の証だ。
 ――でも、俺は直ぐ浮き足立っちゃうから、これくらい重いほうが有難い。
 そして、景時は左手に握る自身の『空の切り札』を場に出した。

賭け
……梶原景時(ゲーム「遙かなる時空の中で3」)


景時恋愛エンド。
この時の景時は恐怖を克服していても良いし、実は物凄く内心ビクビクしていても良いよなぁと思います。

「か」から始まるキャラクターは、数人分ネタも含めて浮かんでいたので、またこういう機会があれば書いてみたいです。

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