• 2013年02月登録記事

五十音順キャラクター・ショートショート【も】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 もし、彼女が世界を壊すというなら、それでも良い。
 転送空間から飛び出していく背中を見送って、モーセはそう思った。

 一個人にとって、世界が破壊されることと、自分が死ぬことに、どんな違いがあるだろう。
 彼女の抹殺に失敗し、主君から捨てられた時点で、ミラージュのモーセは死んだのだ。死んだ者なら、世界が壊れたって構いやしない。

 破壊の使者は、ミラージュでもシルエットでも見たことのない、光輝く意志の力で真っ直ぐに突き進む。その先が世界の解放でも破滅でも、彼女は思うがままに己を通すだろう。
 モーセは信仰にも似た憧れをもって、彼女に夢を託した。

モーセの神
……モーセ(ゲーム「シルエットミラージュ」)


モーセはどうしてシャイナに協力したのだろう。もし本当にシャイナが破壊の使者だったら、モーセも死ぬことになるのに。
そう思った時、三行目のフレーズが浮かびました。
まぁ、基本的にはシャイナに惚れ込んだからだと思うのですが……

前記事が長くなったので、総評です。

物語としての盛り上がりはない割に、最後まで飽きずに遊べました。
色々な意味で思う通りに動かない勇者にヤキモキするのが、このゲームの面白みですね。戦闘でも、天使(プレイヤー)は下界に直接関与してはいけないという制約に従い、天使は援護のみという役割分担もシナリオと合致しています。
プレイ記録では書き忘れたけれど、最終的に脱走した元勇者ディアンが敵側で登場したり、勇者同士のすれ違い会話があったり、結構色々な仕掛けもされていました。

滅亡に向かう世界感で、色々終末的なイベントも起こるのだけれど、天使と勇者の周りは前向きでほのぼのしたムードなのが気持ち良かったです。

NECインターチャネルのタイトルらしく、キャラクターグラフィックはとても丁寧。立ち絵は1枚で表情の違いしかないのだけれど、派手な演出がなくてもキャラクター性は伝わってきました。
個人的には、どのキャラクターも「甘過ぎる台詞」を言わないのが好みです。軟派設定のシーヴァスすら、主人公を恋愛対象として見てないのが逆に新鮮でした。
ただ、恋愛EDとおまけが解放される勇者が一致しない(おまけが解放されるのは、あくまで最終戦に勝った勇者分)というのは、少し据わりの悪い仕様だと思いました。

難易度は良い手応えだと思うけれど、巧く勇者を育てていないと詰む可能性もありそうです。
最終的に動かしていた人数から考えると、勇者3人体制が効率的と思われます。ただ、途中で失踪する危険性を考えると、攻略サイトで推奨されていた通り4人になるのかも。

独特のゆったりしたテンポ感と、システム回りの不親切さで「なんとなく遊び難い」印象があります。キラっと光る個性があるのに、惜しいゲームですね。
遊び易さの為に最も改善して欲しいのは、下記の5点でしょうか。

  • セーブ/ロード速度の改善
  • 事件の詳細がマップ上で判明できるようにする
  • APの上限を増加(2周目限定でも可)
  • 購入時や所持リストでアイテム効果が分かるようにする
  • イベントフラグの厳密化or重要イベントの強制発生

続編の「純白の預言者」も購入済なので、ある程度はこちらで改良されていることを願い、遊んでみたいと思います。

クリアしました。
ターン138、天使Lv.88、妖精Lv.46。勇者のステータスは下記の通りです。

勇者ステータス
(画面注釈)前回最後に失踪したシーヴァスが戻らないまま。

安全策として、最もレベルが高かったフィアナ+フロリンダでラスボスを倒しました。天使はひたすら「透明化」を掛け続けて、APが切れた後は小回復を連打。最後はギリギリでしたが、なんとか撃破。
世界が救われたアニメーションの後、フィアナと妖精たちとの会話があって、スタッフロールへ突入。最後に、フィアナのその後が語られて終わりました。天界と地上とに別れて遠い存在になってしまったけれど、彼女が幸せになったのなら良かった、と思えました。
クリアデータのおまけでは、フィアナのスチル等が解放されたので、フィアナ同性EDと受け取れば良いでしょうか? ゲーム中で見ていないスチルも全部見えるようになるのは、イベントの発生条件が極めて分かり難い本作の場合、ちょっと有難いです。

さて、クリアはしたのですが、実は最終戦の前に、分岐と思われるイベントを見付けていたので、ロードしてその時点に舞い戻りました。
確認したのは、同行した異性勇者(レイヴまたはグリフィン)から告白されるイベントです。

レイヴ

グリフィン

レイヴの方の告白を受けた状態で、フィアナが最終戦に突入。
ラスボス撃破後の会話は、フィアナ→レイヴ→妖精たちとなり、また、天界に戻るのではなく人間になるという内容に沿った台詞に変更されました。
スタッフロールの後は、レイヴのスチルが表示されて――
目が点になりました。
それは、表示されたスチルが「笑顔でトマトを収穫するレイヴ」という内容だったからです。レイヴと言うキャラクターは、物凄く寡黙で厳格な騎士団長だったのですが……平和な時代になったから、騎士団長を辞めて、農家になったの?
困惑するプレイヤーを余所に、何の説明もないまま短い台詞があって、FINマーク。
しかも、クリアデータをセーブしてもおまけが解放されませんでした。つまり、EDを誰と迎えるかは関係なく、最終戦を制覇した勇者のみ、後日談を見られるし、おまけも解放されるということなんですね。
フラグ管理が適当な本作を思えば、割と納得できる仕様ですが、なぜレイヴがトマトを栽培していたのかだけは説明を求める!

ちなみに、シーヴァスは「勇者の探索」で見付かる事を確認しました。
ティアの時に散々「勇者の探索」して正解が「敵の捜索」で、シーヴァスの時は逆というのは、泣きそうですよ。

まだ会っていない勇者が多数いるので再プレイは必至ですが、次回、総評感想で一旦区切ります。

五十音順キャラクター・ショートショート【め】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 面倒を起こしたのか、面倒の方から寄ってきたのか。
「そういう違いは重要じゃありませんわ」
 彼女はそう言い切った。
 己こそ被害者であると彼是訴えていた男の口が、中途半端に開いた状態で止まる。
 彼が驚いているのは分かる。彼自身が起こした事件とそれ以外とを切り分けるのは査定の大前提で、それこそ彼女の仕事なのだから。
 けれど、この問題だけは別の真理があるのだ。
「故意でも不可抗力でも、乙女の着替えを覗いた時点で、一律に悪いんですわ!」

明快な裁決
……メリル・ストライフ(漫画「トライガン」)


要するに、この世に「ラッキースケベ」なんてない。スケベはすべてスケベである。
と考えると、テイルズオブシリーズでは誤解から名付けられることの多い「スケベ大魔王」称号も、間違いではないのかも。

このお話は、メリル視点なのでここでお仕舞いです。
もしヴァッシュ視点なら、この後、周囲から「別れ話が拗れてるみたい」とヒソヒソ邪推されながら、どうして女子部屋に突撃する羽目になったかを弁明するほどにドツボにはまっていく……というお話になるんじゃないでしょうか。

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カラベルの「ピールチーズケーキ」
ベリー味とショコラ味を戴きました。

まるで6Pチーズのような包装が可愛いケーキ。
銀紙を剥いでそのまま食べられるのがウリだそうですが、皿に乗せて戴いた方が美味しいような気がします。チーズの包装は、大きさも小さいし、剥ぎ易くなっているけれど、このケーキはそうではありませんので。

肝心のお味は、濃厚なチーズ感の割に後味がさっぱりしていて、クドさがないので食べ易いです。
下にはタルト生地もついていて、立派なチーズケーキ。
ベリーの方が複雑な味わいで、食べるほどに美味しい感じ。ショコラはスタンダードな食べ易さがありました。