• 2013年02月28日登録記事

五十音順キャラクター・ショートショート【も】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 もし、彼女が世界を壊すというなら、それでも良い。
 転送空間から飛び出していく背中を見送って、モーセはそう思った。

 一個人にとって、世界が破壊されることと、自分が死ぬことに、どんな違いがあるだろう。
 彼女の抹殺に失敗し、主君から捨てられた時点で、ミラージュのモーセは死んだのだ。死んだ者なら、世界が壊れたって構いやしない。

 破壊の使者は、ミラージュでもシルエットでも見たことのない、光輝く意志の力で真っ直ぐに突き進む。その先が世界の解放でも破滅でも、彼女は思うがままに己を通すだろう。
 モーセは信仰にも似た憧れをもって、彼女に夢を託した。

モーセの神
……モーセ(ゲーム「シルエットミラージュ」)


モーセはどうしてシャイナに協力したのだろう。もし本当にシャイナが破壊の使者だったら、モーセも死ぬことになるのに。
そう思った時、三行目のフレーズが浮かびました。
まぁ、基本的にはシャイナに惚れ込んだからだと思うのですが……