前記事が長くなったので、総評です。
物語としての盛り上がりはない割に、最後まで飽きずに遊べました。
色々な意味で思う通りに動かない勇者にヤキモキするのが、このゲームの面白みですね。戦闘でも、天使(プレイヤー)は下界に直接関与してはいけないという制約に従い、天使は援護のみという役割分担もシナリオと合致しています。
プレイ記録では書き忘れたけれど、最終的に脱走した元勇者ディアンが敵側で登場したり、勇者同士のすれ違い会話があったり、結構色々な仕掛けもされていました。
滅亡に向かう世界感で、色々終末的なイベントも起こるのだけれど、天使と勇者の周りは前向きでほのぼのしたムードなのが気持ち良かったです。
NECインターチャネルのタイトルらしく、キャラクターグラフィックはとても丁寧。立ち絵は1枚で表情の違いしかないのだけれど、派手な演出がなくてもキャラクター性は伝わってきました。
個人的には、どのキャラクターも「甘過ぎる台詞」を言わないのが好みです。軟派設定のシーヴァスすら、主人公を恋愛対象として見てないのが逆に新鮮でした。
ただ、恋愛EDとおまけが解放される勇者が一致しない(おまけが解放されるのは、あくまで最終戦に勝った勇者分)というのは、少し据わりの悪い仕様だと思いました。
難易度は良い手応えだと思うけれど、巧く勇者を育てていないと詰む可能性もありそうです。
最終的に動かしていた人数から考えると、勇者3人体制が効率的と思われます。ただ、途中で失踪する危険性を考えると、攻略サイトで推奨されていた通り4人になるのかも。
独特のゆったりしたテンポ感と、システム回りの不親切さで「なんとなく遊び難い」印象があります。キラっと光る個性があるのに、惜しいゲームですね。
遊び易さの為に最も改善して欲しいのは、下記の5点でしょうか。
- セーブ/ロード速度の改善
- 事件の詳細がマップ上で判明できるようにする
- APの上限を増加(2周目限定でも可)
- 購入時や所持リストでアイテム効果が分かるようにする
- イベントフラグの厳密化or重要イベントの強制発生
続編の「純白の預言者」も購入済なので、ある程度はこちらで改良されていることを願い、遊んでみたいと思います。