PSP「ペルソナ2 罪 -INNOCENT SIN-」総評です。
http://p2is.atlusnet.jp/
1999年に発売された同名ゲームのリファイン版。
「ペルソナ2 罰」の前準備として遊んでみましたが、ペルソナシリーズに対する心の敷居が取り払われると同時に、同シリーズに期待していたものと実物のズレ修正に最後まで追われた気がします。
第一に、意外とギャグ要素が多かった。第二に、意外と怖くなかった。
プレイ前は「東京魔人學園剣風帖」のような伝奇モノの暗い雰囲気をイメージしていたのですが、凄惨なイベントがある割に、ライトでポップでした。どちらかというと「シャドウハーツ2」の方が似ていたかも?
キャラクターは、多過ぎも少な過ぎもしないメンバーだったと思います。
栄吉は、達哉が喋らない分、何事かあると熱くなってくれる良い奴。過剰なナルシシズムがなければ、真っ当にいい男だと思います。
舞耶も、最初は妙に軽薄に感じたのですが、「お姉ちゃん」であったことが判明した頃から、メンバーの姉または母として存在感を増し、深い愛情を持った良い女性だと感じました。
ストーリー的には、序盤の栄吉を中心としたエピソードや、中盤の10年前の事件が判明した頃は勢いがあったのですが、後半、特にゆきのと淳が入れ替わった以降は盛り上がりに欠けました。終盤のエピソードで最もポイントとなる、淳の苦悩が私に伝わってこなかったのです。達哉が喋らない主人公であるため、淳に対する気持ちが見えてこなかった、という要素も大きいです。
ところで、子供時代に淳が達哉から譲り受けた腕時計はその後どうしたのでしょうね。達哉が淳から譲り受けたライターは頻繁に登場するのに、腕時計はまったく触れられないので気になりました。
酷評されていたローディングは、確かに頻繁ですがさほど時間は掛かりません。
個人的には、下記の細かいユーザビリティの欠落の方が気になりました。
- BGMに対して台詞の音量が小さい。
- 戦闘中に行動順を変えるとコマンド設定し直しになる。
戦闘時の悪魔とのコンタクトは面白いけれど、同時に面倒でもあります。なにより、ペルソナ召喚に必要なため完全に避けることはできないのが若干ストレスでした。
コンタクトしたくない時に、悪魔側から話し掛けられた時が一番腹立たしいのですよね。
結局のところ、始めて遊ぶペルソナ(女神転生)シリーズというものに対して、期待し過ぎたのかも知れません。
とは言えストーリー関係の印象は「罰」で変わるかも知れないので、ひとまず続編に進みます。