• 2013年08月08日登録記事

柳広司著「虎と月」

「とっぴんぱらりのぷぅ」の対談で紹介されていた作品。
面白くて、一気読みしてしまいました。

中島敦の「山月記」を基に、李徴がなぜ虎になったのかを解く物語。残された妻子にスポットライトを当てるという目のつけ所に唸り、主人公のちょっと恍けた感じに笑い、人虎伝に対する独自の解釈に圧倒されました。
結局、本当に李徴が虎になったのかは疑問の余地があり、その辺もまた、個々人の解釈で良いのでしょうね。

「山月記」は高等学校の授業で取り上げる教材ですが、その時に先生がこういう本も薦めてあげると、読書や読み解きの楽しみを覚える生徒が増えるのでないかな、と思います。