シアタークリエにて「CLUB SEVEN ZERO II」12:30回観劇(Aバージョン)
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16年の歴史がある「CLUB SEVEN」ですが、私は今回が初観劇。
パワフルで楽しい、約3時間半でした。
ステージ構成・演出も手掛ける玉野和紀氏は、還暦を過ぎているとは思えない軽快なダンスと喋りで、まさに超人。今日の自己紹介テーマ「一日だけ何かになれるとしたら何になりたい」で、北翔海莉嬢が「玉野さんになって脳内を知りたい」と言っていましたが、脳だけでなく肉体の秘密も暴いて欲しいところです。
吉野圭吾氏は、あの「吉野圭吾」というキャラクターが確立されているので、どのシーンでも面白いですね。男を演じているときは素直に格好良いのに、幼稚園コントの怖い園長先生(女装)への全力っぷりがさすがでした。
東山義久氏は、存在感の大きさに対して、実は小柄なんだなと驚きました。プロポーズアドリブの後の罰ゲーム一発芸(歌)には笑わされました。
西村直人氏はこれまで縁がない役者さんでしたが、芸達者で、役幅が広く、素晴らしい役者さんですね。
大山真志氏は、大きいと聞いていたけれど、本当に高さも厚さもある大きさで、ちょっと圧倒されました。あの大きさでダンサーというのは凄いですね。東山義久氏から指摘されていた汗の量は、客席降りの時に確認できました(笑)。1ポンドステーキのプロポーズは振られちゃってましたが、真正面からの内容で良かったと思います。少なくとも、男子から告白する指示だったのに、「話ってなんだ」と言い出して沙央嬢に丸投げした東山氏よりは男らしかったです(笑)。二幕のミニミュージカルで沙央と姉弟というのも、なんとなく通じる雰囲気があって頷けました。
宝塚OGからのゲストは北翔海莉、沙央くらま。元男役二人という組み合わせは初らしいですが、それ以前に、元トップスターでないゲストが初のように思います。
沙央くらまがこんなに長時間、舞台上で歌って踊っているのを観るのは初めてで、個人的にはそれだけでも価値があったなと思います。元娘役と名乗っても通じそうな可愛らしさと、ギャップが激しいハスキーボイスでニヤニヤさせられました。
この日は、50音順ヒットメドレーの序盤で衣装を落としてしまい、それもあって、後半はよくイジられていました。沙央目的の私としてはラッキーでしたが、徹子の部屋のゲスト指定が「電子レンジ」で、全然対応できていなかったのは公演ファン的に問題なかったのかどうか……。
北翔海莉は、歌っても踊っても無茶振りしても安心のエンターテイナーぶりなので、終始安定していました。
出番以外の時は、笑い上戸っぷりも発揮していたけれど、自分のターンになると一瞬で空気が変わるし、あれだけ激しく動き回っても最後まで姿勢が揺れたりすることなく、「なんでもできる」と思われてしまうのも当然。幼稚園児役やスケバン役も楽しそうでしたが、タケモトピアノの全身タイツが一番嬉しそうに見えました。
CLUB SEVENは「笑い」が中心の舞台だと思っていましたし、実際、上演中は何度も笑いましたが、二幕のミニミュージカル(禁酒法時代のマフィア抗争モノ)は、一切のお笑い要素を封印した、シリアスな内容でした。まるで、一本の短編洋画が挿入されたような印象。
お話の真相は腑に落ちなかったけれど、吉野氏・東山氏のスーツ姿は格好良かったですし、全力のおふざけだけでなく、全力の格好良さも魅せられたということで、美味しい構成だったと思います。