121001.jpg

2012年4月、銀河劇場で公演されたDANCE ACT「ニジンスキー」をDVD鑑賞。
http://gingeki.jp/special/nijinsky.html

妹ブロニスラヴァをストーリーテラーとして、ヴァーツラフ・ニジンスキーの一生を、彼と関わりの深かった人々が語り合う形で進行する芝居。
時間軸が行ったり来たりするため、ある程度の前知識がないと判り難いのでは?と思いました。でも、この公演を観に来るファン層で、ニジンスキーについてまったく無知という観客は稀でしょうから、良いのかも。
特定の台詞を繰り返すシーンが多くて、印象付けられましたが、同時にクドいとも思いました。こういう演出はバランスが難しいですね。
舞台の終盤、死後のヴァーツラフがディアギレフやロモラと会話をしている部分が面白かったです。被害者のように思われるヴァーツラフだけれど、自ら望んでそう振る舞い、彼の方が周りを振り回していたのでないか、と疑われる作りが荻田演出らしいのかな。

踊りは多少バレエ要素もあったけれど、全体的には前衛的。私の好みとしては、バレエ・リュスの演目くらいバレエ的な感じで観たかったです。
主演の東山義久が、ダンサーであってもバレエ出身者ではない為にこういう振り付けなのかも知れないし、これがニジンスキーらしさなのかも知れないと考えさせられました。生の観劇だったら、もっと気迫を感じて良く思えたかもしれません。
バックダンサーである東文昭、長澤風海、加賀谷真聡もまた、ヴァーツラフを表現しているのが面白かったです。

なおDVD特典映像では、早替わりの様子等が垣間みられるバックステージがとても面白かったです。

以下、気になったキャスト評。
ヴァーツラフ@東山義久は、ダンサーだと思っていたけれど意外に役者だな!と認識を新たにしました。狂気の表現が素晴らしかったです。

この作品で一番素晴らしいと思ったのは、ディアギレフ@岡幸二郎でした。
朗々と響く歌声に酔いしれ、ヴァーツラフを思いのままにしようとする傲慢さも、ロモラが登場すると見せる大人げない痴話喧嘩も面白いし、別れてからも微妙に世話を焼いてしまう人の良さがまた意外な一面で、良かったです。

ブロニスラヴァ@安寿ミラは、台詞回しに独特の乾いた空気感があり、愛情と憎悪をもって兄を見つめている様子が良かったです。ダンスで一番好きなのも、この兄妹で踊るシーンでした。

ロモラ@遠野あすかには、悪妻というより、追っ掛けファンのノリのまま結婚してしまった悲劇を感じました。芝居がちょっと大仰で、箱と合っていない気がしたかな。

フレンケル@佐野大樹は、理性的だけれどそこにまた危うさがある感じでした。
ところで、彼については*pnish*で1番ジャニーズ系だと思っていたのだけれど、フレンケル医師が登場した瞬間「不倫しそうな顔だ」と思ったのは何ででしょうね(笑)。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)