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宝塚専科公演「おかしな二人」15:00回を観劇。
これで、今年の観劇予定は終了です。

この舞台は、専科・轟悠と花組選抜7名の計8人による、3幕仕立てのストレートプレイ。
なんでも宝塚化・ミュージカル化してしまう歌劇団で初めて観る台詞劇でした。ほぼ会話劇だった「銀ちゃんの恋」でも多少は曲があったのに、今回はプロローグとフィナーレ以外一切歌と踊りが出て来ないのです。観ている私は「ここで一曲来そう」と思っているのに歌が始まらないので、なんだか凄く不思議でした。

初演は、昨年の宝塚バウホール。
専科・轟悠と未沙のえるのW主演で、喜劇王ニール・サイモンの戯曲。という時点で非常に観たかったものの、東京では上演されず、評判を聞いて指を銜えて待っていたわけです。
そして今年、退団した未沙のえる氏の代わりに華形ひかる抜擢で4日間だけの再演に。これはどれほど入手難チケットだとしても確保する、という気持ちで頑張り、何とか1回分潜り込むことに成功したのでした。

それだけ期待値が上がっていた舞台ですが、面白かったです。
一幕が一番面白くて、二幕はちょっと想定内過ぎてダレるかな、という感じでしたが、三幕はオチも決まって、台詞劇でも充分魅せられました。幕を下ろさず、通しの芝居にしてしまった方がテンポが良かったかも、と個人的に思います。幕間に気持ちが落ち着いちゃうんですよね。さすがに難しいのかな。
それと、照明が凝っていて、幕を閉じての場面転換中、照明の動きで客を楽しませてくれた演出や、フィナーレでの夜景の美しさには感心しました。

オスカー@轟悠は、唯一二回目の出演ということもあり、オスカーとして自在に生きている域。いい加減そうで、だらし無くて、でも人に優しい誠実な男で格好よかったです。
しかし物語的に一番美味しいのは、フィリックス@華形ひかるの方でした。
これは、オスカーを視点にしたフィリックスの物語だと言えるかもしれません。
フィナーレも、出番は轟悠の方が多いけれど、最後の一場面だけ華形があえてフィリックスとして登場することで、全てかっさらっていったように感じます。
その他、上級生のマレー@悠真倫スピード@紫峰七海は安定した芝居で、下級生のヴィニー@大河凛ロイ@柚香光は若いなりにそれぞれ光るところを魅せ、紅2点のグウェンドリン@初姫さあやセシリー@仙名彩世は娘役としてはかなり思い切った形で笑いを取りに来て、少数ながら熱気に溢れた舞台でした。
少人数であるがために、悠真倫や紫峰七海といった日頃ショーで追うことがない生徒のダンスをじっくり観られて、非常に新鮮でした。めぼしいダンサーがいない中、芝居では一番幼い印象だった大河凛が、踊ると一番きまっていたかなと思います。

一年の観劇の締めくくりとしては、派手ではないけれど良作で〆られて気持ちよく納めることができました。

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