劇団スタジオライフ「11人いる!」13:30回を観劇。
Wキャストの配役はVenusチーム。但し、アマゾン役の松村泰一郎が休演で、Mercuriusチームの鈴木翔音が代役でした。
http://www.studio-life.com/stage/11nin_2013/index.html
原作は既読。感想は2009年11月23日記事をご参照ください。
ちなみに、観劇前に復習しようと思ったら、本棚に見当たりませんでした。そのため、細部はうろ覚えです。
一方、スタジオライフの作品は今回が初めて。
御存知ない方の為に簡単に説明すると、スタジオライフは男性のみで構成された劇団で、男性俳優が女性役も演じるという点が特徴です。しかし、この作品は男性(雌雄未分化を含む)しか登場しないので、まったく違和感なく観劇できました。
原作に忠実な舞台でした。
よって、脚本には青春物の清々しさとミステリの緊迫感と漫画らしい可笑しみが共存していて、間違いなく面白かったです。最近「若者が頑張る姿」に物凄く感情移入するようになったので、軌道の変更に成功した瞬間、喜ぶ11人の姿に思わず涙しました。
舞台装置は、非常にシンプルな作り。ストーリーの都合上、舞台と袖の出入りが多くごちゃごちゃした感は否めませんが、少量の効果で巧く場面を転換していました。宇宙空間の演出は少し分かり難いと思ったけれど、SFという難しい題材を扱っているだけでも感服します。
再演を繰り返しているのも納得のコンテンツでした。
ただ、衣装は全体的にイマイチ。しかも衣装絡みの問題で、石頭が「黒い服の受験者はいなかった」と指摘する台詞は矛盾している(試験時は全身宇宙服で中の服装が見えない)のは気になりました。もっとも、観客が11人目に気付かないようにする策かも知れませんね。
以下、キャスト評です。
タダ@荒木健太朗は、写真より舞台での生の姿の方が断然格好良いですね。台詞量もアクション量も多いので大変そうですが、誠実なキャラクターを感じられました。
フロル@及川健は、物凄く華奢で小さくて、確かに1人だけ男と違う生き物に見えます。声は高めに作っているのでしょうか? フロルとして、舞台上を生き生き堪能しているように見えました。
王様@曽世海司は、安定しているけれど、キャラクターの青さに対して少し大人っぽ過ぎた気がします。
「11人」内で唯一のシングルキャストガンガ@船戸慎士は、抜群に巧かったです。体格の良さも、素晴らしい武器ですね。
全員集合した時点で眼を惹いたのは、長身の四世(フォース)@藤森陽太。衣装が良いのもビジュアル加点で、かなり追ってしまいました。
アマゾン@鈴木翔音は、台詞の通りも良いし、役に合っている印象。
ヌー@鈴木智久は、原作よりコメディ色が強まっているのか、キャラクターとしては迷走しているように感じました。
赤鼻@原田洋二郎は、タダを撃つ前後の動揺する演技が良かったです。
文化庁委託事業として若手率が高いらしく、一部は滑舌が悪く台詞が聞き取れないこともありましたが、演技自体が壊滅的に酷いキャストはいなかったと思います。