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赤坂RED/THEATER「ハンサム落語 第三幕」15:30回(前楽)
http://www.clie.asia/hr3/

公式サイトを観ても、どんなことをする公演か説明がなく、「ハンサム落語」とはなんぞや? と疑問符付きの観劇と相成りましたが、要は若手男優が、落語のネタを2人1組の朗読劇スタイルで演じるという内容。役者によるアドリブがふんだんに盛り込まれつつ、主に掛け合いで見せる脚本になっています。
2時間、たくさん笑わせてもらいました。
2人で掛け合う時点で「落語」ではないかも知れないけれど、落語入門としては良く出来ていると思いました。女性客が集まるし、落語の本を下敷きにしているから純粋に話が面白く、そこから落語にも興味が湧きそうです。
私自身も、実は落語は未体験なので、末広亭に行っておけばよかったなと思いました(前の職場は末広亭と近かったのです)。

演目は4席。本日の組み合わせも含めると下記の通りでした(左側がメイン)。

  • 死神(磯貝龍虎・宮下雄也)
  • 抜け雀(平野良・荒木宏文)
  • 明烏(宮下雄也・磯貝龍虎)
  • 文七元結(平野良・荒木宏文)

また、おまけとして大喜利風座談会があり「今日の感想を5・7・5で語る」「あいうえお作文:みやゆう」を披露してくれました。

各演目は、アドリブによる軽い前説トークがあり、そこからネタに入っていくという流れ。
演目中の役の入れ替わりはなく、例えば「明烏」なら時次郎・大店の女主人を宮下、時次郎の父親・多助・花魁を磯貝が演じていました。そのため、多助と花魁のやりとりは磯貝が1人で演るので、落語っぽくなっていたと思います。
ト書きはメイン側が読むことで全演目統一していました。

なお、登場するキャラクターを絞っているせいか、「抜け雀」はオチ(サゲ)が独自のものになっていたようです。元のオチでは現代で通じ難いし、落語は解釈を変えたりすることも多いようなので、変更自体は良いと思うけれど、ちょっと他の3本と比べると、オチが弱かったかな。
4本の中では「死神」が抜群に面白かったです。次点で「明烏」。
結局、磯貝・宮下コンビがどちらも達者で、笑わせる加減と本を生かす加減がいい塩梅でした。
瞬間的なウケは、平野・荒木コンビも負けず劣らずでしたが、滑稽な「抜け雀」はまだしも、「文七元結」は長い演目な上に人情ものなので、やや苦戦していた気がします。
というのも、平野演じる左官の長兵衛が根っからダメ男に見えてしまい、オチで素直に感動できませんでした。
その他にも、音で聞いただけで観客が直ぐイメージできるか心配になる言葉が幾つかあったし、他の3本に比べると前説が不足していた気がします。

実は荒木宏文を目当てに参加したのですが、彼は、女性役がやけに多かった気がします。磯貝が女声で花魁を演じてると笑いしか浮かばないのに、荒木だと自然なのが脅威でした。
他の3人は完全に初見でしたが、それぞれ良かったです。特に、今後注目していきたいのは宮下雄也です。目力が強く印象的でした。死神の前説で「消費税8%に上がったら、からあげクン210円が……212円くらい?」という驚愕の頭脳を披露したり、大喜利ではなぜか、ホモだバイだと散々弄られてちゃっていましたが。

初めて入場した赤坂レッドシアターは、200席もない小劇場。

若干縦長ですが、D列以降は強い勾配があるので問題ありません。1度客席に入り、隣席が埋まるとちょっと通り抜けられそうにないのが気になりました。
舞台は、レッドシアターの手狭なステージに、座布団、見台(ただし譜面台のように斜め置き)、置きマイク×2というシンプルなセットで演出は一切なしでしたが、それだけに演技に集中できてよかったと思います。

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