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Bunkamuraオーチャードホール「新版 天守物語」14:00回。
http://www.sunrisetokyo.com/schedule/details.php?id=2133

原作はもちろん泉鏡花。
監修は能楽師・梅若六郎玄祥氏。女優陣は宝塚OGと女形、男優はTV俳優、狂言師といった面白い顔ぶれの舞台。
春風弥里を筆頭に、現役自体に大好きだった宝塚OGが集まっているので、行ってきました。

この作品は、能楽とごく普通の現代劇が一つの舞台上で融合する、変わった形態。歌舞伎、能、現代劇と、どうしても言い回しや癖が違うものですが、それをどれか1つに統一するのではなく、それぞれの役者がそれぞれの演技様式のまま同じ舞台に上がっていました。
女形と女優が一緒に演技して不思議でないのは舞台ならではの効果だと思うし、なかなか面白かったですが、元々の戯曲の台詞が難しい上に、能や狂言の言い回しは慣れないせいか聞き取り難く、終盤の重要な説明が飲み込めなかったのが残念でした。

富姫@大空祐飛は、前半は妖しく凛々しい魔性、後半は一途な恋する乙女で、チャーミングな富姫。薄@青井陽治との掛け合いも、信頼関係が見えるようで、素敵な姫と婆でした。
図書之助@須賀貴匡は、体格が良く、舞台で映えますね。台詞が非常に聞き取りやすかったです。
朱の盤坊@茂山逸平舌長姥@中村京蔵は、舌長姥が途中寝こけてしまうという原作にない部分で笑いを取っていました。
腰元衆は、宝塚OGの春風弥里・風莉じん・花瀬みずか・初姫さあや。
桔梗@春風弥里は、現役時代、あまりに色男過ぎて、今更女性を演じられるのか心配していたのですが、ごく普通に女性に変身していました!
和装というのが効いていて、艶っぽさと凛としたところが共存する、はんなりした女性でした。着物だと所作が自然と柔らかくなるのも良かったのかしら。
原作にはない泉鏡花@三上博史は、ちょっと勿体ない使いかた。泉鏡花が語るという導入を作ったのに、結末を桃六@梅若六郎がデウス・エクス・マキナで纏めてしまう原作通りのオチに至るのは変だったと思います。

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