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劇団四季ミュージカル「ウィキッド」13時回を観劇。
「海の日」なので、電通四季劇場[海]に行ってみました。

2007年以降、何度かロングラン上演されていますが、機会がなかったので観劇は今回が初めてです。

本日の主な出演者は下記の通り。
グリンダ :島原ゆきみ
エルファバ:岡村美南
ネッサローズ:豊田早季
マダム・モリブル:八重沢真美
フィエロ :飯村和也
ボック  :山本道
ディラモンド教授:斎藤譲
オズの魔法使い:松下武史

まず海劇場自体についてですが、客席が3階まであるのに小さな感じがする劇場だと思いました。お陰で、天井桟敷でも、ちゃんと舞台奥まで見えます。
内部は良いのですが、外側は少し残念。まず、客席までがやけに入り組んでいたり廊下が狭かったり、お手洗いは出入口別方式なのに誘導が分かり難く、逆走する方が多かったのはもったいないと思いました。また、売店で扱う飲食料が500mlペットボトル(水)しかないのは、個人的に驚きポイントでした。

事前に「オズの魔法使い」を読んでから観劇したので、本作で語られることには「オズ」で語られている事象と多少差異があり、引っ掛かりましたが、あくまで「オズ」を元にした「ウィキッド」という別作品としては纏まっていたと思います。
「オズ」の本筋を変えられない以上、悲劇なのかと思いきや、割とコミカルなシーンがあったり、最後は救いがある終わりだったり、意外性がありました。
ただ、母親の不義の子供であったり、出産シーンがあったり、虐めや逆恨みなど、子供にはあまり勧められない作品かな。大人向けの童話だと思います。
ある意味、劇団四季を象徴するカーテンコールの回数は6回。最初から全員揃っているパターンと、グリンダとエルファバの2人で始めるパターンの2種類、かつ1回分が短いお陰で、今回はさほど不愉快に感じませんでした。

西の悪い魔女エルファバは、母親の過ちで醜く産まれたという点で、「ファントム」の設定を彷彿とさせられました。被差別意識は多少あるけれど、至極真っ当に生きようとするので、最後は報われて良かったと思いました。
善き魔女グリンダが、「ウザイ」「可愛い」「おバカちゃん」という造形は衝撃的でしたが、悪気はないので憎めないキャラクターでした。最後は人間的に成長し、一人残って諸々を背負うことにもなったので、2人の少女の物語として良い対比なのでは。
しかし、その他の登場人物は全体的に私が腹立たしく思うタイプばかりで、観ている間、辛かったです。
特にボックが「ブリキの木こり」になるなんて、「オズ」のあの優しい木こりの冒涜だと思いました。

日本語が変だと思う台詞・歌詞が時折あり、英語版だともっと色々な意味合いが込められているのかな、と思います。
画面の切り替わりにスピード感があり、ドラゴンやオズの機械など仕掛けもなかなか凝っていましたが、後半は、ソロまたはデュエットで動きはなく歌うだけのシーンが数回あり、実はちょっと退屈しました。古典的でも、コロスを入れて動きを付けたくなります。

最後に、「オズ」との差異として気になった点をメモしておきます。

カカシの設定
オズ:マンチカンの百姓が作った
Wicked:元は人間(ただし、時系列的にドロシーに同行したカカシとは別人と考えれば納得)

ブリキの木こりの設定
オズ:呪い対策で自分で体をブリキに変えた
Wicked:呪いを止めるためブリキ人間に変身

銀の靴の設定
オズ:持ち主を希望の場所へ運んでくれる魔法の靴
Wicked:エルファバの魔法が掛かった、歩けるようになる靴

翼のあるサルの設定
オズ:昔から存在。金の帽子に縛られている
Wicked:エルファバによって生み出され、手助けをする

ドロシーをオズの国へ導く善い魔女がグリンダになっているのは、映画版がそうなっているそうなので割愛します。

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