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舞台「ACCA十三区監察課」@品川プリンスホテル クラブeX、初日14:00を観劇。
http://www.acca-stage.com

2017年冬アニメだった「ACCA十三区監察課」の視聴感想は1話で止まっていましたが、録画は続けていました。そして、ふと思い立って最終話を見たところ、1話の時点では思いもしなかった展開になっていて非常に面白く感じたので、時間を巻き戻す形で逆回りに全話見ました。

全体的に地味だし、謎めいたまま進む要素が多いので、リアルタイムで追っていたら脱落していたと思います。でも全ての真相を知った状態で見たら、非常に上質な作品でした。
同時に、アニメは感心したけれど、この作品を舞台で纏められるのか疑問を抱いたので、検証のために観劇することにしたのでした。

会場のクラブeXは、ライブ利用を想定していると思われる円形ステージ。客席は、ざっと見積もって300席あるかどうかでした。
小さな会場で役者との距離が近いために、頻繁に目が合ってドギマギしました。いや、あれはどちらかというと「観客も見られている」という感だったかもしれません。

上演時間はおよそ2時間10分(休憩なし)。
座っているだけなのに、かなり疲れました。ジーンとニーノはほぼ出突っ張りなので、動作が少ないとはいえ、相当疲労しそうです。2公演してしまう役者の体力には感心します。
キャスト一覧(扮装写真)にウォーブラとビスキュイがいたので、舞台はスイツ区のエピソードをメインに据えるのかと予想していましたが、なんと原作の頭から最後までの舞台化でした。
アニメ1クールの本編放送時間をおよそ4時間(1話22分×11回)と計算した場合、半分の時間に詰め込んでいるわけですね。ロッタが登場しない分、視点がACCA本部とジーンの行動に絞り込まれていましたが、情報量が多すぎて疲れたのかもしれません。

初日初回なのでトチりは多少ありましたが、一番ヒヤッとしたのは終盤の記念式典直前。伊阪達也がステージを降りるときに椅子(足場)を踏み外して転び、数秒動かなかったので緊張しました。自分で立ち上がり、椅子を戻して静かにハケて行ったので、大事はなかったようです。

演出面は、円形という独自の形を活かして、全方向を利用しつつ、正面舞台も併用するという手法で、割と観やすかったです。会場装置であるモニターを、テレビとして活用していたのも、会場ならではの要素ですね。
ジュモーク区のバスウッド、「レ・ミゼラブル」を思わせるスイツ区の革命、プラネッタの採掘の雰囲気などのミュージカル風な部分は、驚いたけれど好みに合っていて楽しかったです。
しかし、スローモーションの多用や、必要性が分からない要素(最初のACCAツアー参加者全員が手を繋いでいる、一部の台詞をニーノが代弁、成人記念式典時に突然始まる本部長の歌とリーリウム長官の謎の踊り、真意を明らかにしたシーンでのリーリウム長官の謎ステップ)は観ていてストレスが溜まりました。

キャストは、ネルケの企画だけあって、キャラクター再現度が高めだったと思います。
驚いたのはです。
アニメは「豪華声優陣」と言って過言でないキャスティングでしたが、その雰囲気にかなり忠実だったと思います。特に、シュヴァーン@山崎晶吾は、宮野真守が出演しているのかと思いました。金髪カツラも綺麗に似合っていて、正に王子様でした。

役が多いので、主演の二人と五長官以外はほぼ兼役していた模様。
女性キャストは1人しかいないので、監察課の女性局員も男性に変換されていました。アトリ達は厳しいと思ったけれど、ロクステッラ@前田隆太朗は、役も役者も中性的な雰囲気で違和感がなかったです。

五長官はバランスが良かったです。
中でもスペード長官@平川和宏はかなりリアルで、元刑事感も感じました。パイン長官@伊藤明賢は、さすがに2mはなかったけれど、長身でジュモーク区らしさがありました。

モーヴ@蓮城まことは、脚本上も美味しい役ですが、本部長のイメージを損なわないキリッとした美しい立ち振る舞いでカッコ良かったです。五長官には、リアル男性故の少し野暮ったい動きがあった分、颯爽とした本部長に惹かれました。
難としては、もともと歌唱力のある役者ではないので、歌うシーンが必要だったのか疑問です。あと、肩幅があるので白いドレス姿はイマイチだったかな。

全体的には、ニーノ@丘山晴己が静止画でも動いてもニーノらしかった気がします。
セリフが人一倍あってかなり大変そうでしたが、「ACCA十三区監察課」の主人公はジーンだけれど、ニーノが綴る物語というべきなのかも、と思いました。

ジーン@荒木宏文は、観る前は合わないのでないかと危惧していましたが、独特の雰囲気があって良かったです。何と言っても、荒木宏文だけあって煙草を咥えた姿が色っぽい(笑)。
ジーン・オータスは、一言で説明がつかない複雑さが魅力のキャラクターだと思うのですが、その印象通りの人物になっていました。

舞台で果たして再現できるのか?と思っていた「ACCA」の世界、かなり駆け足気味でしたが、ジーンと一緒に十三区(舞台はファーマス区を割愛)巡りをしたような印象で楽しかったです。

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