トライアルモードは頓挫中。
素直にレベルを上げるか、強くてニューゲームでジョブを最適化してから出直そうか、悩み中です。
FF14パッチ4.3(UNDER the MOONLIGHT)トレーラー前半がFF12仕様で、テンション上がりました。
アーシェ殿下とラスラ殿下の新規イラストとか、予想外!
でも大灯台は何度も登りたくないダンジョンです。FF14ユーザーの心が折れていないと良いけれど。
というわけで「ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ」総評……というより、好き勝手語りです。長いので、続きはクリックで表示とします。
事あるごとに書いている通り、私は松野ゲーム信者なので、FF12の評価は甘々です。
そんな私でも、もう少しこんな風に調整してくれたらもっと面白くなるのに、と思う要素はあります。また、システムもストーリーも万人向けとは言えないので、ライトゲーマー層への販売力がある「FF」の名を冠したのは失敗だったと思います。
ですから、本作に欠点があるのは間違いないことです。
しかし今回のリマスターで久し振りにFF12をプレイして、私は改めてオリジナル版(2006年3月発売PS2ソフト)の凄まじさを実感しました。
広い世界
大崩壊前のイヴァリース世界を冒険できるのは、FF12ならではの体験です。ゲーム中実際に歩ける範囲は、ダルマスカを中心とした地域に限定されていますが、データ上のサイズ以上の広さが感じられます。
まず、多くの人は最初の街(王都ラバナスタ)で道に迷いますよね(笑)。
それがただ広いだけでなく、細部まで作り込まれています。背景美術を観て歩くだけで、冒険感が味わえます。ダラン爺の家の織物とか、素晴らしいですよ!
街中で暮らす人物もたくさんいて、逆立ちの練習をする少年や、けんけんぱで遊ぶ少女など、生き生きとしているのがとても好きです。サブイベントも豊富です。
亜人の多さも、異世界感やそれだけ多くの種族が存在する世界の広さも感じさせます。
FF12の種族といえばモーグリ族とヴィエラ族が有名だけれど、私はガリフ族とン・モゥ族とバンガ族も好きです。シーク族は見た目で損しているけれど、性格は総じて可愛いですよね。バクナムス族とウルタンエンサ族だけは好きになれませんが……。
ファンタジーならではの装飾過多な建物が多いですが、遺跡はまた違う年代だなと思わせる作りになっています。
アルケイディアは、もっと色々なエリアを歩きたかったですね。
拠点以外でも、様々な風景を楽しめますし、フィールドを闊歩するのは敵モンスターだけでなく、敵対心を持たない獣やこちらに加勢してくれる旅人がいるなど、画一的でない面白さがあります。
最序盤から寄り道できる余地があるのも楽しく、ただシナリオ通りに話が進むのでなく、世界の中で生きている感があります。
ただ、世界設定はちゃんと作ってあっても、それを知ろうとするかどうかはプレイヤー任せだったのが万人向けタイトルとしては問題でしたね。最低限「ヤクト」「ミミック菌」は、本編中できちんとわかるようにしておくべきだったと思います。
ユーザーによって印象が変わる群像シナリオ
FFなのに世界を救わない地味な話ですが、私は本作のストーリーも好きです。「自由と義務」というテーマ、政治色が高いところが、いわゆる「厨二心」をくすぐります。
空賊二人の気障な台詞回しには、思わずニヤニヤします。
主人公ヴァンはあくまでプレイヤーに与えられた視点の一つであり、積極的に物語を動かすのはアーシェとバルフレア、そしてヴェインとシド。それだけ感情移入の対象が分散しているので、プレイヤーによって見方が変わる重厚さがあります。
キャラが薄いという意見も聞くけれど、それは記号的でないということであって、全員ひとりの人間としてきちんと描かれていると思います。
ただし、フランとパンネロの存在感が薄いという点は同意します。この二人は最初から最後まで「大人」の見守るポジションだから、二人が中心になって動くイベントがないのですよね。その代わり、この二人の台詞は本当にいいものが多いですが。
口に出す言葉と本心が違うシーンが多いけれど、演出が細かいので、ちゃんと観ていれば理解できます。
例えば、アーシェ殿下がみんなと打ち解けていくに連れ、「お前はやめて」の口調と表情がどんどん柔らかくなっていくところは、表現も含めて素晴らしい変化だと思います。
事前準備に重きをおく独特の戦闘
リアルタイムに進行する戦闘に、仲間がセミオートで動く独特の戦闘。仲間のAIとも言える「ガンビット」を、プレイヤー自身が組むのが何より面白いです。
普通は、状況に応じて「このタイミングで回復した方がいい」「弱点を突こう」「敵の頭数を減らそう」と判断してコマンドを選ぶのに、FF12ではバトル前にどんな事態が起こるか予想し、様々なパターンに対処できるようガンビットを組んでおくのが肝心です。
これを「見てるだけ戦闘」と揶揄する声もありますが、本当に見ているだけで済むということは、敵の行動パターンを調べた上で対策ガンビットを完璧に組んだ、という意味なので、相当ハマっていると思います(笑)。
実際は、ガンビットの出来が適当でも、手動操作で適宜プレイヤーが介入できます。だからガンビットをメインに使っても良いし、補助的に使っても良い、という自由があります。
欲を言えば、もっと柔軟な指示(例えば「まだ盗んでいない敵」のターゲット)ができたら良いと思うこともありますが、たぶんこういう便利すぎるターゲット指示はわざと外して、試行錯誤させるようにしたのだろう、と擁護もするくらいガンビットが好きです。
せっかく強くなっても、その力をぶつける相手がいないとつまらないですが、本作は阿呆みたいに強い(しかし癖があるのでキチンと対策すれば初期レベルでも勝てる)敵が多数用意されているので満足できます。
FF12の評価を高めた倍速機能(リマスター追加要素)
HDリマスターとしては、ポリゴンモデル変更などをせず、純粋に画質向上だけしているのは良かったと思います。
オリジナル版の演出の良さ、書き込みの凄まじさを改めて思い知りました。
細かいところでは、リマスターで「2倍速」モードが追加され、インターナショナル版の「4倍速」も含めた快適なプレイが可能になったことで、ゲーム自体の評価を高めたように思います。
また、エリアごとにオートセーブされるのも、探索が長くなる本作では非常に有難い追加要素でした。
一部新収録された音声も、イベントシーンに厚みが増して嬉しいところ。
個人的には、バルフレア(c.v.平田広明)の声が少し軽くなって、オリジナル部分とは演技が違う違和感を感じました。あと、帝都のイベント(ジュール絡み)に声を付けて欲しかったかな。贅沢ですが……。
インターナショナル版からの変更はないため、当時合わなかったプレイヤーに改めて薦める作品ではありませんが、FF12を再評価する動きが生まれたのは非常に嬉しいと思えたリマスターでした。