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宝塚雪組「凱旋門」「Gato Bonito!!」11:00回(友の会優先公演)。

ミュージカル・プレイ「凱旋門 -エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-」

初演(2000年)は、轟悠の代表作とも評される舞台。私が大好きな「カサブランカ」とよく比較される作品ということもあり、個人的に興味があったので、再演はとても嬉しかったです。
実際観劇しても、クラシカルな文学の香りが漂う、素晴らしい舞台でした。第二次世界大戦前のパリの閉塞感、柴田先生の美しい台詞回し、謝先生のスピード感ある演出で、上演時間が1時間半しかなかったとは思えない濃密な芝居に魅せられました。
私が知っている範囲内でも、宝塚ファンには「暗い作品が嫌い」という層が一定数いますし、且つ大劇場公演でありながら専科主演ということで、雪組ファンは相当複雑な気持ちだと察せられます。でも、私個人は大変満足しました。

ただ、主役ラヴィックを轟悠が演じなければならなかったのか、は疑問の余地が残ります。
タカラジェンヌに年齢の概念はないとはいえ、どうしても声に年齢が出てしまいます。更に本人の喉のコンディションも悪かったです。
加えて、今回はジョアン@真彩希帆が若々しいことも問題でした。ラヴィックが「若くて綺麗だが軽薄な女性に入れ込んだ中年男」に見えてしまい、座り心地が悪かったです。ジョアン単体では、非常に説得力のある役作りだっただけに、とても残念です。
一方、ボリス@望海風斗は、初演より歌も出番も増えて存在感を増し、ラヴィックとの友人関係も自然に見える男らしさで格好良かったです。
ビジュアル面で格好良くて瞠目したのは、アンリ@彩風咲奈。人物としてはかなり難のある役ですが、スラッと垢抜けた都会的なスタイルで、ジョアンが惹かれるのも分かると思いました。
出番は一瞬ながら、ラヴィックの過去の恋人シビール@星南のぞみが非常に美しく、悲鳴も胸を突いて印象に残りました。
その他、2人の会話で進むような箇所も、街角やカフェなど、群衆芝居の中で進展することが多く、何度も観る環境があればさらに楽しめそうでした。

ショー・パッショナブル「Gato Bonito!!~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」

ラテンショー。
ダイナミックで激しく楽しい舞台でしたが、少し緩急が足りず、私は息切れしてしまいました。藤井先生のショーは、主題歌のキャッチーさで最初に心を掴まれることが多いのですが、今回は「美しい猫のような男ガート・ボニート」というフレーズがちょっと長過ぎたかな……と思います。

それでも「Yo Soy Maria」で始まる直球のアルゼンチンタンゴの場面「しなやかな猫」や、唯一雰囲気が違う土着的で神性を感じる「激しい猫」は良かったです。
逆に、男役スターが男役メイクのまま胸を盛り、透け感のあるパンタロン衣装で踊る倒錯的な中詰は、私が男役に求める「エロス」とは方向性が違い、個人的には好みではなかったです。
総踊りが多い分、「凱旋門」で辛抱した組ファンには楽しく、2本立てとして良いバランスなのかもしれません。

芝居・ショーとも、聞き応えのある望海&真彩コンビの歌声で満足度を押し上げられ、友の会優先公演ということで終演後のご挨拶もあって、良い観劇でした。

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