PS4のファルコム製RPG「東亰ザナドゥeX+(エクスプラス)無料版」を遊びました。
https://www.falcom.com/txana_explus/index.html
本作は、Vitaソフトとして発売された「東亰ザナドゥ」のHD移植版。無料版は、オープニングから第3話までプレイ可能な体験版です。
ひとまず、第1話の最後までプレイ。およそ1時間程度。
体験という意味では、ここまででも十分ゲームの雰囲気を掴めます。
お話は、現代日本風の架空都市で怪異に巻き込まれていくという、ライトノベル調。
- 主人公はアルバイト生活
- ヒロインは以前から怪異と関わりがある
- 現実と異界がゲートでつながる
といった要素だけ列挙すると「AKIBA’S BEAT」と同じですが、本作はもっと素直な作りで、すべての展開が想像の範囲内に収まっています。それだけ王道で安心感のある物語だ、という意味で考えることもできます。
主人公はやや斜に構えた、今風の若者らしいキャラクターでありつつも、性根は至極真っ当な熱血漢。
ヒロインポジションには、背中を預けられる凛々しくクールなタイプと、守ってあげたい幼馴染の両方が揃っていて贅沢です。
ADVパートは、多くのモブキャラクターにも名前と個性が設定されています。そのため、色々な人に話しかけて、人物情報を記録していく楽しみがあります。
また、決まったエリアのみとは言え店内に入れるので、街の探索もそれなりに楽しめます。
家電屋の奥にあるゲームコーナーで「軌跡」のPVが流れているなど、細かいところでニヤリとさせられました。
ファストトラベルも完備。基本的にストレスの溜まらない、親切な作りになっていると感じました。
もっとも、元はPS Vitaということを加味しても、グラフィックはのっぺり気味で魅力を感じません。正直、PSPソフトのHD移植版である「ゴッドイーターリザレクション」の方が頑張っているレベルだと思いました。
ゲートをくぐって異界のダンジョンに侵入したら、アクションRPGモードへ。
操作キャラクターを切り替えながら進む仕組みなので、常に行動は1人。仲間と一緒に戦えないのは少し残念に思いました。
スイッチを押して扉を開くなどのギミックは多少ありますが、第1話のダンジョンはまだチュートリアル段階ということもあってか、基本は一本道でした。
道中は、敵の弱点属性を突けるキャラクターを出すようにしていけば、サクサクと進行します。攻撃方法には接近攻撃・遠距離攻撃といった種類があるものの、ワンボタンワンアクションのシンプルな作りで「技」がないため、若干地味な印象。
一方、迷宮最深部のボスはそれなりに手強く、「避け」をかなり意識しないと、あっという間にHPが削られて緊張感のある戦いになりました。
個人的には、避けを重要視するゲームだとしても、初見では攻撃モーションや当たり判定がわからないので、それを見極めるためにガード技が欲しかったです。
ファルコムのアクションRPGは「イース」「軌跡」と既に一定のファンがついた2シリーズある中、敢えて本作を発売したことからは、新しい市場を掘り起こそうという意欲を感じます。
そして過去作からのノウハウ蓄積かもしれないけれど、丁寧に作ってあると感じます。
しかし率直な感想として、特別悪いところもない代わりに特別良いところもなく、本作独自の魅力は感じられないと思いました。
現代世界で学園生活を送りながら怪異に巻き込まれ……という世界観のRPGは、他に有名タイトル(特に頭文字が「P」のゲームとか)があるわけですし、アクションRPGとしての魅力も、触れた範疇ではごく普通。これから要素が増えて面白くなるわけでもなさそうです。
そもそもタイトルに「東亰」と銘打っておきながら、舞台のモデルは立川市で、東京というより地方都市感に溢れているのも首を傾げるところです。
前述の通り、ADVパートもアクションもストレスフリーな作りでサクサク遊べて、お話もライトノベル調という「軽い」手触りなので、それを期待して遊べば十分なポテンシャルで応えてくれるゲームだと思います。
それが、作り手の意図に沿っているかは疑問ですが……。