PS4/Switchにて発売中の「ルルアのアトリエ 〜アーランドの錬金術師4〜」体験版を遊びました。
遊べるのは第二章「きっかけの章」冒頭まで(製品版へ引き継ぎ可能)。
https://www.gamecity.ne.jp/atelier/lulua/
アトリエらしさ満載の旧作ファン向け新作
初っ端から乱暴なことを言うと、近年の「アトリエ」シリーズは、作品ごとにメインキャラクターと舞台が変わるだけで、ゲームシステムの基幹は変わらないと言っても過言でないでしょう。
本作も、「アトリエならこんなゲームだ」と想像する通り、少女の成長物語で、探索して調合して……という基本から外れることはなく、安心して楽しめました。
ただ今作は、「アーランドの錬金術師4」ということで、アーランドシリーズ未プレイの私は、過去作を遊んだプレイヤーであればもっと彼方此方にシリーズの繋がりを感じて楽しそうだな、という雰囲気を感じました。
例えば、今作主人公の母親ロロアは伝説級の人物として語られているけれど、アトリエ主人公なら最終的に山を壊しても海を割ってもおかしくないから、これが誇張なのか、過去作で実際にあった光景なのか、わからないところが凄いですよね(笑)。
勿論、本作から遊んでも、物語を理解することに影響はないです。
しかし前シリーズを遊んでいれば「もっと楽しめる」ことは間違いないでしょうし、制作側もそう考えているから、本作の発売前にシリーズ作品を現行機に移植したのでしょう。
親しみやすいキャラクター
主人公ルルアは、表情が崩れやすいタイプで、美少女だけれど親しみが持てる印象。
「猪突猛進」というキャラクター設定でしたが、調子に乗りやすいお調子者であっても、自分の失敗が母親の評判を落とすのでないかと心配したりするあたり、どちらかというと小心者のようにも感じます。
幼馴染のエーファの方が、ちょっと危ない猛進娘な気がします。
ピアニャは師匠だと説明されるから良いのですが、その師匠のアトリエにいる「ちむどらごん」など、おそらく旧作から登場しているのだろうキャラクターについては、特に説明なく登場するのが若干不親切かな。
なお、キャラクターデザインの違いなのか、「ソフィー」や「リディー&スール」よりも少女漫画の登場人物っぽく感じました。
本を読み解いて能動的に学ぶ楽しさ
本作の独自要素としては、アルケミリドルという「本の解読」によって錬金術を学んでいくという要素があります。
第一章後半で、この「リドル」が始まってからぐっと面白くなりました。
やるべきことは「□□で〇〇を手に入れる」というような、特別面白味のない行動ですし、素材を手に入れたら調合を思い付くなんてことは過去作でもあったと思いますが、本のヒントからすべき行動を自分で読み解く、というワンクッションを置くことで、より能動的に素材を集めたりアイテムを作ったりしたくなりました。動機付けとして成功していたと思います。
地道な進化が見えるグラフィック他
グラフィックは確実に強化されていて、キャラクターモデルだけでなく、フィールドの背景小物なども、アニメ風表現の範疇ではありますが、ちゃんと凝っています。
また、会話イベントでも棒立ちでなく、ちゃんとカメラ演出が入るようになりました。
相変わらずモーションは微妙で、ドアを開けて走ってくる、という動作のはずが、ドアは開けずに瞬間移動で現れて、横滑り、という印象だったりしましたが、まあこれもアニメっぽさと思えば許容範囲です。
ただ、採取場所は全体的に目がチカチカして見難く感じました。
照明が明るく、そこにキラキラしたエフェクトが重なっているせいかな。天候にもよりますが、全体的に夜のマップの方が探索しやすく感じました。
細かいことでは、酒場の依頼で、納品アイテムの品質等に対する評価状況が可視化されたのは、とても楽だなと思いました。
簡単になりすぎている気もしたけれど、無駄に高品質のアイテムを納めずに済む、という意味では有難い変更でした。
引き込まれるような導入ではないけれど、最初の街にラストダンジョンっぽい建物があったり、謎が散りばめられていて、物語の続きも充分気になる作りになっています。
アーランドシリーズを遊んでいたら、多分喜んで製品版プレイしていたのでないかと思える体験版でした。