現在地:4話「画家」

DETROIT:Become Human

マーカスは注文の品を手に帰宅すると、足の不自由な主人カールを起こして世話を始める。芸術家であるカールの補助をしていたマーカスだが、カールから自分の「心」に従った創作をしてみるように勧められ困惑する。そこにカールの息子レオが現れ、金の無心をしたが、レオが金を薬に注ぎ込んでいることを見透かしたカールは拒絶する。

裕福な家で、理想的な「父と子」のような生活をしているマーカスとその主人カールが過ごす、穏やかな午前。

画家フローチャート

一本道ですが、択一の選択肢が多く、これをコンプリートするのは大変そうです。

外観はそこまで豪奢でないですが、いい生活をしているとひと目でわかる家で、カーラ編との落差が激しいです。

カールの家

モデルハウスのような無機質な家ではなく、適度に生活感があるのも感心しました。CGでこういう綺麗な家を作って、ちゃんと人が生活している息吹を吹き込める時代になったんですね。
そしてカールが車椅子なので、全てのドアは引き戸で自動化されているし、階段には昇降機が付いているという

驚いたのは、鳥籠の中のカナリアもアンドロイドだったことです。

カナリア

現代でもAIBOなどがあるので、ペットが機械化されているのは当然かもしれませんが、迂闊にも予想していなかったので「(電源を)つける」という選択肢の意味が最初分からなかったくらいです。
第一、鳥籠に入れておく必要性はあるのでしょうか。

カールは、優しさと少しの偏屈さを感じさせる老人で、マーカスにとっては「良き父」という感じ。

カール

でも、実の息子レオとうまくいかなかったのは、レオがクスリに手を出すような「クズ」だからというだけでないと思うのですよね。カールも若い頃はやんちゃして、息子で失敗したから、いまマーカスといい関係を築いているのかもしれません。

朝食の間、自由に過ごすように言われたところで、リビングを歩き回って、結局、自分がしそうな「本を読む」を選択。
本を読むことにしたらそれで先に進むのかと思いきや、更にどの本を読むか3冊から選択することになりました。

  • キーツの詩
  • シェークスピア
  • プラトン

ちゃんと一冊ずつデザインされていて、悩んでしまいました。キーツの詩はそのまま「ODES」でしたが、シェークスピアは「TRAGEDIES」という背表紙の文字が読めたので、4大悲劇集と思われます。

本棚

マーカスのキャラクター的に、詩集やシェークスピアは違う気がしたのと、他の二冊に比べて読み込まれている感のあったプラトン(国家)を選択。

そのまま本を読んでいたところ、朝食を終えたカールが近付いて来て、何を読んでいるのか聞かれるという、本に関する会話がありました。
プラトンの「国家」は、以前にカールから勧められていたようです。
答えのない問を投げかけてくる哲学が好きだというマーカスは、現時点で既に、「機械」である筈のアンドロイドを超えている気がしますね。

「私がいなくなったらお前も 自分で身を守り 道を選ぶことになる 自分は誰なのか どうなりたいのか」

など、カールの言葉は静かな口調に反して強い印象が残ります。

遅い朝食後は、アトリエで仕事の時間。
家の中に飾られている作品も、全体的に大きいと思っていたら、こういうクレーンを使って創作していたんですね。

カールの絵

仕事の後、今度はマーカスが絵を描くように指示されて、最初はカールの絵を模写。
模写ではない絵を描くことを強要されると、マーカスが「そういう風にはプログラムされていない」と言うだけでなく、全身から困惑しているのが面白いです。

本棚

「何言ってるんだこの人」とアテレコしたくなる困惑顔。
こめかみのLEDも、黄色い光を発しているので、かなりのストレスだったはず(笑)。

しかし描かない限りカールが納得しないので、筆を取って新しいキャンパスに向かいました。
絵のテーマは「アイデンティティー」且つ「アンドロイド」を選択。

アイデンティティー&アンドロイド

これはーーなるほど、マーカスの自画像ですね。絵のタッチはカールを模倣しているけれど、力強い眼差しが印象的です。

最後にレオが登場して、今後の展開に一抹の影を残していきました。

レオ

先の展開を知っているので、縁を切る気がないなら、遊興費とわかっていても、適当に渡してあしらう方が良かったのでないかと思ったけれど、現実に自分がカールの立場だったら、やっぱり断るような気もします。どうするのがベストか、わからない問題ですね。
これもまた、「答えのない問い」だなと思います。

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