本日8月22日発売のアクションRPG「鬼ノ哭ク邦 体験版」(PS4版)を今更プレイ。

鬼ノ哭ク邦 体験版

輪廻転生を是とするため、死者を引き止める要因となる生者の悲しみを否定する、独特の死生観に支配された世界が舞台。
初っ端から、子供を送るために未練を断ち切れない両親も殉死させるという重い展開で、この世界に引き込まれました。

悲しんではいけない

主人公カガチは、任務忠実で冷酷にも見えますが、「すべきことをする」という生真面目さの表れだと思います。過去を失った鬼ビ人たちを可哀想だと感じる幼馴染マユラの方が、一般的な主人公らしい性格な反面、この世界観では異質な存在に見えました。体験できた範囲では、カガチがこの世界の理に異議を抱いていないので、先がどういう展開になるのか推測できず気になります。

本作の特徴として、現実「現シ世」と死者の世界「幽リ世」を行き来するという要素があります。これも世界観を補強はしているけれど、構造は一緒なのにマップが別途扱いなので、コンプ癖があるプレイヤーとしては少し面倒に感じました。

幽リ世

世界を切り替えたタイミングでロードが発生して動きが止まることも、純粋にテンポが悪く感じます。

アクションも同様で、技発動後など全体的に硬直を感じて、爽快感はありません。ガードや回避は共通アクションでないので、敵の死角を突くか、距離を保つことが基本の立ち回りという感触です。

戦闘

個人的には、もっとサクサク動く爽快感のあるアクションの方が好きですけれど、同調率が高いと被弾時のダメージも大きくなる緊張感の高さや、鬼ビ人ごとに異なるアクション性能など、面白くなりそうな要素も感じました。
鬼ビ人の切り替えがもっとスムーズになれば、面白くなりそうです。

武器=鬼ビ人を装備するという感覚で、鬼ビ人ごとに「技奥樹」というスキルツリーが用意されています。体験版では一部ロックされていましたが、どう成長させるかは結構幅がありそうです。

技奥樹

構造が分かりにくいけれど、このツリーが広がる演出は格好いいです。

グラフィックは低予算感があって微妙だと思っていたのですが、実機で動いている状態だと想像より綺麗です。イベントシーンでは表情もちゃんと動いています。ただ、全体的に輪郭線がぼんやりしているのと、デフォルメされたキャラクターデザインが気になりました。

アイシャ

本作を開発しているTokyo RPG Factoryのゲームは、どれも同じようなグラフィックですが、原画は普通の頭身なので、デフォルメしないほうが良かったのでないでしょうか。ただ、リアル頭身でこういう「死」が充満するお話を描くと、色々な規制対象になってしまうのかもしれませんね。

ワールドマップは地図で、拠点やダンジョンを選択して移動するタイプ。

マップ

イベントシーンのパートボイスは……、今の時代、却って新鮮かもしれませんね。個人的には、音声自体いらなかったと思います。

セーブ画面に本作専用の画面(あらすじ付き)を用意しているなど、細かいところに美意識も見受けられるので、この世界観が刺さるプレイヤーを全力で刺しにきている感じはあります。

セーブ画面

惜しむらくは、前述の通り低予算感が感じられる作りと、それに見合わない販売価格です。
3000円くらいのインディーゲームだったら、とりあえずシナリオだけ浚う気持ちで気楽に購入してみたかもしれませんね。

鬼ノ哭ク邦 体験版

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