PS4恋愛シミュレーション「LoveR(ラヴアール)」体験版を遊びました。
本編「サマーデイズ」の月曜日から金曜日までと、「フォトセッション」がプレイ可能。
会話による交流重視の恋愛ゲーム
女の子との会話で盛り上がって、親密になることを目指す恋愛シミュレーションゲーム。
主人公のパラメータを上げてモテることを目指す「ときめきメモリアル」系よりも、女の子の心を掴んでいく感が強くて、個人的には好きなタイプです。
どことなく「トゥルーラブストーリー」(以下「TLS」と記載)の進化系みたいなゲームだと思いながら遊んだのですが、そもそもプロデューサーがTLSの方なんですね。女の子たちとの関係を数値化してくれるのは妹だとか、女の子の顔はほぼハンコ絵で髪型で見分ける、なんて要素の一致もそのせいか(笑)。納得しました。
登校時に偶然会えて幸運に思ったり、せっかく休み時間に遭遇しても、会話に応じてくれなくてガッカリとか、「普通」の学生生活らしさが体験できます。
LoveRの場合は、女の子別に遭遇イベントを狙う形で、別の子と思い掛けず会ってーーというパターンに突入することはなさそうだったのが少し残念ですが、もっと日数が進めばそういう例もあるのかもしれません。
会話システムは、狙った話題を引き出せるとは限らないランダム要素があり、結果的に毎回別の会話をしていく可能性が高まる感じです。その代わり、地雷キーワードみたいなものもないのか、会話の難易度は低い気がしました。
むしろ、ドキドキさせすぎると強制終了するパターンに引っ掛かる方が多かったです。親密度低い時点から意識しすぎでは、と思ったけれど、会話が盛り上がりやすくなっているせいなのでしょう。
会話パターン自体はかなり豊富で、同じ話題を敢えて繰り返すと、前の話をより深めていくことができました。
凝った写真撮影
恋愛シミュレーションと言いつつ、写真部所属の主人公の主目的は、女の子達を撮影させてもらうこと。
イベント時には、シャッターを切るだけの簡単な撮影ができますが、恐らく本命は、会話を盛り上げて個別に撮らせてもらう「フォトセッション」。
この撮影が非常に複雑な操作で難しく、思い通りの構図で撮れるようになるまで大変苦労しました。
現代のカメラなんて、シャッターさえ切れば撮れるというのに!(苦笑)
ただ、難しい分、慣れて思い通り動かせるようになると楽しい気持ちになりました。
またサード製では珍しく、デュアルショックの傾き検知を使っていたり、マイクを使って女の子に声を掛けられるなど、色々な機能を取り入れている意欲的な部分も好感でした。
ただし、最初にできるポジション・ポーズ指定は影絵状態で良いから、イメージを見せて欲しいです。
特にポジションはどういう場所か検討つかず、結局何度か場所変更してチェックする羽目になりました。
あと「座る」というアクションに女の子達が照れるのも、最初はピンと来なかったんですが、座る場所や姿勢によって、パンツがちらと見えるせいですね……。
接触がうまく表現できておらず、影のつき方も変なので、「横たわる」にすると宙に浮いてるように見えるのは、正直笑いました。
現実味がありつつ可愛いキャラクター
全体的にモデリング含めたグラフィックは、PS4のゲームとしては低いですが、キャラの可愛さはあります。妹や凛世といった幼い子は特に可愛いです。基本、上目遣いが映えるデザインなんですね。
同級生キャラクターが、幼馴染の南夏しかいないのが少し珍しいように思いました。
意外だったのは、あまり好きじゃないタイプのキャラクターである仲座ろみ(勝気で生意気な下級生)。話してみると、上昇志向が強くって面白いキャラで、その戦闘意欲が可愛いと思いました。
また、全体的にコロコロ変わる表情はなかなか魅力的です。
操作面はマイナス
ギャルゲーとしては、会話が良いのとキャラクターが可愛いという点で及第点ですが、UI関係は基本的に悪かったです。
例えば「会話する」「夜に遭遇する」などのミッションをクリアすると、報酬の「コイン」がもらえますが、このコイン回収が一括でできず、解決したミッションを一覧から一つずつ探して○ボタンを押すことでようやく得られる、という作りはどうかと思いました。
それから、操作、システムに関する全体的な説明不足。
ゲーム内に説明パネルは用意されているものの、基本的に「わかっている人向け」の操作方法説明でしかなくて、知らない単語が普通に使われている説明文なので混乱しました。
特に操作が難しいフォトセッションは、動的なチュートリアルが欲しかったです。せっかく撮影OKして貰えたのに、最初の一回は操作を把握するのに必死で、全然撮影できませんでした。
説明不足といえば、マジカルユミナに関しても、突如魔法少女化した妹が出てくるので、なんだこれ?となりました。
そして、いまだに何だったのかわかっていません。
過去作品の偉大さが身に沁みた
私の場合、「夏を舞台にした上でシーンを学内だけにしたかった」という大人の事情が丸見えの「夏休みが存在しない全寮制学校」という設定なんかは、笑って流せました。
ただ、3つの学期からプレイ時期を選べて、且つ女の子ごとに3ルートくらい分岐した「TLS2」は凄いバブリーなゲームだったな、と改めて思い知りました。アスキーのゲーム、アーカイブス配信して欲しいとつくづく思います……。