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花とゆめCOMICS「かげきしょうじょ」8巻感想

今回、帯がこれまでになく遊んだ内容でビックリしました。
これも、白泉社に移籍したからできるコラボですね。

内容は、ほぼ文化祭の顛末かと思っていましたが、東京に一時帰省したさらさの視点が多く、渡辺けの家庭問題に一気に切り込んできました。終盤まで伏せたまま進むのかと思っていましたが、これでさらさの素性は確定ですかね?
歌鷗の血筋だというのは、読者には示唆されていましたけれど、結構凄い設定だなと思います。
一応善意でやってるのだろう「赤い薔薇の人」(煌三郎)が、けちょんけちょんに言われてるのは笑いました。麻生は煌三郎兄さんを応援しています。
家族問題に近いところでは、さらさと暁也が、初めて喧嘩らしい激しいやり取りをしたのが良かったと思います。
基本的に、この二人は恋人以前に本当は芸事のライバル関係であって、付き合ってると言いつつお互いに醒めた所のある関係だと思っていたので、このくらいぶつかり合う方が健全だと思います。

肝心の文化祭の続きは、愛ちゃんが肝心のシーンでジュリエットの名前を噛んだり、委員長が合唱を口パクで済ませたり、なんだかんだやらかしが多かったけれど、スターになった頃に、過去の失敗として笑い話になるエピソードだな、と思いました。
なにより、愛ちゃんが男役を志望する可能性が出てきて、今後の役者としての成長ストーリーにも俄然面白みが出てきました。
娘役の愛され演技ができないという超マイナス要素も、男役ならその役者の味になるし、さらさ&愛の同期でトップコンビという可能性の低いパターンより、さらさとは真反対の魅力の男役として並び立つ方が面白いんじゃないかしら。
もちろん、そういう可能性を検討しつつも、目標通り娘役を貫いていくのもアリだと思います。

次巻からは、さらさたち100期生が本科生になり、それぞれ後輩(新予科生)との関係性という新しい要素も増えると思います。
新キャラには多少不安もありますが、また魅力溢れる1年を見せて欲しいなと期待しつつ、次巻を待ちます。

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