現在地:22話「ストラトフォードタワー」
マーカスはジェリコの仲間と共にデトロイト市のローカル放送局に潜入し、放送をハイジャック。アンドロイドの人権を求める声明を流す。「あなた方は命をくれた。そして今自由を与える時が来たのです」ーー。だが逃走の最中にサイモンが撃たれ、マーカスは苦悩の末にサイモンを置いて逃げる。
長く緊迫したミッション回でした。
まず人間の関係者を装って受付を突破し、その後は、人目のある場所では整備アンドロイドとしてやり過ごし、着々と進んでいきました。
内部はいかにも放送局という雰囲気でしたが、あくまでローカル放送局なんですね。全国区ならもっと革命的だったけれど、現実路線ではあるのかな。
防犯カメラから見た視点があったので、マーカスたちは普通に映っていそうな気がするのですが、よく放送室を占拠するまで誰にも気付かれなかったな、と思います。この時代の防犯カメラのチェックなんてAI処理だろうから、ハッキング済みだった、ということなのかしら。サーバールームでマーカスは窓を切ったけれど、ノースが何の作業をしていたのか分からなかったので、その辺の処理をしていたのかもしれませんね。
それにしても、この「レーザーで焼いてガラス窓を抜く」というシーンはドラマなどで見ますが、レーザーソーって、そんな一般的に売ってるんですかね。ホームセンターとか?(笑)
壁登りのシーンは、高所恐怖症気味の私にはヒヤッとする箇所でしたが、「レディファースト」と言って先に進んで行くノースは過激派という点に目を瞑ればやはり格好いいなと思いました。
その後は、サイモンたちと合流して最上階に進み、放送室を遂に占拠。代表して、マーカスが演説を始めます。
演説は穏やかに開始。
内容は、奴隷制の廃止と種族の認識、公正な裁きと労働の対価、財産権の要求、でまとめました。
ここまで流血は避けているので、平和的な内容を貫きます。
部屋の中で演説してるだけだと、本当に放送が流れたのか実感なかったのですが、放送を見る人々の様子が映されたので、本当に放送ジャックできたんだな、とわかりました。
放送室から脱出した人間を撃たずに見逃したので、警備を呼ばれてサイモンが負傷。
なんとか引き摺って屋上までは連れてきましたが、足が動かないサイモンは脱出策が使えない、捕まればメモリが調べられて全員を危険に晒す、ということで、サイモンをどうするか決断を迫られました。
サイモン一人の命を救える可能性と、ジェリコのメンバー全員を危険に晒す可能性を天秤にかけたら、ここは心を鬼にして撃つしかない。
そう思って、撃つことを選んだものの、再確認させる選択肢があったので迷ってしまいました。
結局、撃つことができなかったマーカスは、銃をサイモンに渡し、彼を置いて脱出することに。
この決断でサイモンの友好度は大幅上昇していたけれど、その上昇したことが返ってくる日は来るのでしょうか。
屋上へ行く道の途中に、サイモンのブルーブラッドがバッチリ付着してるんですよね。屋上に逃げたのは目撃証言でもわかるけれど、これはコナーの目で見れば、隠れるサイモンの足取りも一目瞭然だし、いざコナー編になれば、そこで手加減するということは私にはできないですので……。
不殺を貫いたお陰か、世論は一気に上がりました。
自分が選んだメッセージ、行動がアナウンサーの話す内容にきちんと反映され、世論に大きく影響を及ぼしていくのを見ると、本作は「決断」のゲームだな、とつくづく思います。
22話目にして、ようやく世界を一変させる最初の一歩を踏み出したというのが、なかなか驚きの構成ですね。
なお、フローチャートは、全体像を乗せようとするとまったく何も見えないレベルだったので、22話以降は掲載しないことにします。