「テイルズ オブ ザ ステージ ー光と影の正義ー」@銀河劇場、12月6日19時回を観劇しました。
https://to-stage.tales-ch.jp
ご縁があってお誘いいただき、観て参りました。
21時15分までの休憩なし1幕モノ。
公演2日目ということもあって、殺陣にはやや段取り感というか、音と映像に合わせる苦労を感じましたが、激しく踊り戦い駆け回るハイスピードな舞台で楽しかったです。
ストーリーは、オープニングから始まって星喰み復活&ユーリ帰還で終了。
カプワ・トリムまでは原作に沿って展開していましたが、その先はエピソードを細分化して再構築された「まったく新しいヴェスペリア物語」という感じ。XBOX360版しか遊んでいないこともあって、「このあと一体どうなるのか?」と思いながら観るという、原作付き舞台としてはかなり新鮮な観劇体験でした。
ジュディス登場とフェロー襲来が同時、ザウデ浮上後にエステル解放など、複数のエピソードをまとめて処理していたのは、1イベントずつこなすゲームとは違う発想で、驚きはしたけれど、最小限の人数であの壮大な物語を進行させるには十分な出来だったと思います。展開の都合上、ハリーが全くいいところ無しで終わっちゃうことだけが可哀想だったなぁ。
ザギが生き残っていたり、ジュディスが魔導器を壊していた理由は一切触れないとか回収されなかった問題があり、ブラッシュアップ版も上映されそうな雰囲気はありましたが、これ以上エピソードの圧縮は難しそうなので、どうなるのかしら。
ちなみにデュークは終始不在で、宙の戒典はケーブ・モック大森林に放置されていました(笑)。ただ、観劇中は「デュークがいないからな」と笑ってやり過ごしましたが、改めて考えるとシュヴァーンが閣下に報告を怠ったことになり、これはシュヴァーンのキャラクター性に影響を及ぼす改変だった気がします。
笑いどころも多く、お約束のシステムメッセージ、セーブ演出、勝利の決め台詞、スキット演出など、ズッコケる要素も含めて敢えての「ゲームっぽさ」がふんだんに盛り込まれていました。
アビス版に比べると魔物の登場率が高いこともあって映像を使った演出が多く、始祖の隷長たちは全てスクリーンでの登場でした。
音楽はもちろんゲーム作中の音楽を使っていましたが、なぜかジュディス加入後のキャンプシーンのみ、「風のクロノア」の「The Windmill Song」(1面ステージ)が使われていて驚きました。
気に入ったのは、ダングレスト「団結の誓い」ダンスアレンジかな。また、戦闘曲はどれも盛り上がりました。
出演者は全員熱演でした。
私が好きなのはフレン、エステル、ラピードです。
私はフレン・シーフォという人物に対して、物語に置ける役割以上の興味がなかったのですが、この舞台でのフレン@加藤将は、とても可愛い好青年で、今まで以上に好感が持てました。
それと個人の感想ですが、長身に彫りの深い顔付きと台詞がやや甘く聞こえる感じが、少し城田優に似て見えました。
エステル@末永みゆは、砂糖細工のように可愛かったです。ピンク髪という現実ではちょっと厳しいビジュアルも違和感なく、何より声が可憐。
あざとく受け取ることができてしまう仕草や台詞も、天然の雰囲気で仕上げていて、理想のエステリーゼ様でした。
そしてラピード@田中尚輝。
公演の発表があった時「犬のラピードを人間が演じる」という不安もありましたが、アビス版のライガたちが違和感なかったし、扮装写真で「ラピードが一番格好いい」(ファンの欲目)と思ったので、それほど心配していませんでした。
冒頭、字幕で物語の導入を語り出した挙句、字幕が遅いから人語で喋りだしたときはどうしようかと思いましたが、そのあとの人語シーンは決戦前夜に当たるシーンの独白だけで、終始「犬」だったので安心しました。
戦闘は見惚れるほど格好良かったし、群れを守る意思が感じられる動き、エステルへのツン対応などの大人っぽさと、フレンに再会して全力で甘えに行くハシャギっぷりは可愛さとが混ざって、これが「かっこかわいい」だなと思いました。一回、ペンライトをキセルのように咥えていた時なども、さり気ないラピードらしさを感じて身悶えしました。
基本しゃがみ姿勢でキツイ芝居だと思うのですが、千秋楽まで観客を魅了していただきたいと願います。
カロル@北乃颯希、リタ@近藤里沙は逆転している身長差にあれ?っと思いましたが、二人とも可愛かったです。
レイヴン@加藤真央は、おっさんの時は大はしゃぎな感じで可愛く、隊長首席は終始格好良く満足。バクティオン神殿後、ゲームと違ってなかなか復帰しないので「帰ってくるよね?」と少し不安になったのは秘密です。
ジュディス@寺田真珠は、「バカドラ」時の姿がスラッとして格好良く、中身のエロティックな女性らしさとのギャップを改めて感じました。性格的にはもともと男前ですけれどね。
ドン・ホワイトホース@内田健介は、巨体のイメージがあるのでやや小粒に感じたけれど、これは仕方ないですね。ハリーとセットだと、少し孫に甘そうないいお爺ちゃん感もあって、微笑ましく感じました。
ラスボス化したアレクセイ閣下@和泉宗平も素敵でした。
全員の秘奥義を順番に喰らってあげていましたが、仲間側は総勢8人なのに、アレクセイ側に仲間が皆無なせいで、アビス以上に「フルボッコ」感が凄かったです。パティ不在で良かったですね。
主人公ユーリ@吉澤翼は、立ち振る舞いがユーリ再現で安心して見ていられました。あの曲芸っぽい動きや鞘も使った剣戟など、さらっとこなしていても実際は相当大変ですよね。
ーーこれは演技というより脚本の功績であり、且つ、ファンから袋叩きにされそうな発言ですが、フェローとの交渉中に出しゃ張らなかったという一点で、原作ゲームより好きになりました。
この舞台での最終戦でユーリが選んだ「フレンに人を殺させないため自分がアレクセイにトドメを刺す」という考えと行動自体も、時と場合によっては押し付けだと思うのですが、双方譲れないところは貫くタイプなお陰で問題なし。「光と影の正義」というサブタイトル通り、ユーリはユーリの考える無法からの正義、フレンはフレンの考える法の下の正義を見せて対比しつつ、お互いを尊重したいい友人関係を見せてくれました。
メインキャスト以外では、ラゴウの再現度が高過ぎて笑えました。見た目も声も、嫌味な感じも小者っぷりも、完璧なラゴウでございました。