現在地:26話「カムスキー」
ハンクとコナーは、サイバーライフ創業者にしてアンドロイド産みの親であり、いまは隠遁する身のカムスキーを訪ねた。変異体について情報を求めたコナーに、カムスキーは自身が所有するアンドロイド・クロエを撃ち殺せば引き換えに情報を与えるという取引「カムスキーテスト」を持ち掛ける。コナーはクロエを撃たず、カムスキーからは変異体と認定されるが、それを否定する。
もう何度も乗っている気がするハンクの愛車内からスタート。
冒頭のやりとりで、前回のマーカス編で見逃した警官の一人が、コナー編でよく現場に登場するクリスだったことが判明しました。夜でしたし、泣き顔だったこともあって、まったく気付いていませんでした。
ハンクが安堵しているのを見て、やはり見逃して正解だった、と胸を撫で下ろしました。
それに、クリスだと気付いていたら、もう少し気楽に「見逃す」を選んでいたと思います。そう思う辺り、人間って身勝手だなと思いますが……。
カムスキーの屋敷では、ゲームのナビゲーターであるクロエが登場しました。
ここでクロエが登場することは知っていたけれど、いつもゲーム開始前に会っているクロエと作中で会って、とても興奮したし、親しみを感じました。
もちろん、別個体であることはわかっているのですが、いつも顔を合わせているせいでしょうか。
そのせいで、カムスキーがクロエに触れていると「うちのクロエさんに触るな!」という怒りの気持ちが沸き起こりました。
彼女が、世界で最初に「チューイングテスト」を突破した知性あるアンドロイドだったんですね。初期モデルでこの完成度となると、やはりカムスキーは天才だと感心するし、もったいぶった台詞回しも、こちらの知性を試してくる面白いキャラクターだと、事前には好感を持っていたのですが、実際に会って台詞を聞いていると、非常にイライラさせられて驚きました。
ハンクが終始「なんだこいつ」と言いたそうな顔をしていたのも、なんとなく共感できます。
これは偏見ですが、わざわざこんな荒涼とした土地に家を建てて、同モデルのアンドロイド複数体と隠れ住んでいる辺り、性格的に何か偏屈なところがあるのは間違いないと思います。
恩師アマンダをAIモデルにしていたりするわけだし、クロエもカムスキーに所縁のある女性をモデルにしてるのかもしれませんね。それでいて至極普通に「物」として認識しているらしい辺り、やはり怖さを感じます。
プールのタイルを赤にして血の海みたいにしてるのも変だし、自分の写真を大きく引き伸ばして玄関口に飾っている辺り、自己愛も結構強そうだしなあ……。全然掴めない人物です。
クロエを撃つか、撃たないか、ここは時間制限なしで選ばねばならず、自分で決めろ、という圧力を感じます。
ただ、少しでも有意な情報を得られる可能性に賭けて撃つべき、という気持ちもありましたが、ハンクが嫌がっているのも伝わってきているのに撃てない、と思いました。
カムスキーからは「変異体だ」と喜ばれましたが、ハンクがやめろと言っていたから従った、と言う理屈はダメなんですかね? まあ、撃たなかった理由をハンクから追求されて逆ギレ謝罪する辺り、変異体以外の何者でもないですけれど。
むしろ「私は変異体ではありません」と言い張るコナーが面白くてしょうがないです。そもそもプレイヤーが中に入って操作している時点で、異常な存在ですよね。
ハンクが今までで一番の笑顔を見せてくれたので、これでいいのです。
ーー第一、同モデルを破壊した後に、メインメニューに帰るのはちょっと気が引けそうです。