Nintendo Switch版「moon」クリアしました。
【注意】今回はネタバレあり感想です。
ラブレベル29「愛の巨匠」に達したところで、月へ出発しました。
長い旅の末、月へ到達して最後のイベントに突入してから、私は「えっ?」という言葉を何回発したことでしょう。
ヨシダがロケットに無賃乗車していたところまでは、微笑ましく見ていました。しかしそこから勇者によるアニマルたちの虐殺が始まり、月のお城に追い詰められたヨシダたちが殺され、ドラゴンと女王も殺され、そして主人公も斬られて、同時に勇者もーーという超展開で、完全に口が開いてました。
そして現実に戻ってから問われる「CONTINUE?」に対して脊髄反射で「YES」を押した後、扉の存在に気付いて突っ伏しました。
正直、ヨシダが殺されたことへのショックで、咄嗟に「なんとかしなければ!」という気持ちになってしまったんですよね。完全に開発者の思惑に乗ってしまいました。でもこの一本取られた感は、初見で味わわないと全く違う感想になったと思うので、これでよかったのだと思います。
もう一度月旅行からやり直さないといけないという、「待ち」の長さには凹みましたけれどね。このゲームでは「プレイヤーの都合で世界は動かない」のだとつくづく学ばされました。
というわけで、4日半の道のりからやり直して、現実で「NO」を選択し直しました。「NO」にカーソルを置くと、主人公がドアの前に移動したので、これが正解だとわかりやすいですね。
そして、主人公が開けた扉はムーンワールドと繋がり……
「生きてたのか、ヨシダー!!」とテンションが上がったところでゲームが終了したので、また「えっ?」となりました(笑)。
最初本当に戸惑ったままED(スタッフロール)を見ていたのですが、たぶん「主人公が扉が開けたので、ムーンワールドの住人が現実世界に逃げてきた」ということで良いんですよね。ワンダとフローレンスが一緒にいたことに胸が温かくなったし、タオが西郷さんの犬に成り代わってるのは、思わず突っ込みました。よく見たら、この写真の中にはガセもいるんですね。公園だからか……。
「MOON」(フェイクムーン)が販売中止になった、という貼り紙も最初は笑ったけれど、考えてみれば結構深いオチだと思います。
開発者が自ら「クソゲー」というだけあって、人にはとても勧められないけれど、遊んでみたいと思った私の嗅覚は間違いでなかったと満足しました。面白かったです。
ただ、アンチRPGとしての評を全く知らずに、発売当時に遊んでいたら、このゲームをどう受け止めたかな?と思います。オープニングメッセージの最後が「幻夢などやめて早く目覚めよ」であり、ずっと待ち続けると表示される最後のメッセージが「ゲームなんかやめて 早く電源切りなさい」という辺りで、手厳しく感じて反発したかもしれません。
でも私は、このゲームは、ゲームを遊ぶこと自体は否定していないと感じます。
だってこのゲームは、あらゆる出来事を「ラブ」だと言っているのです。
だから本作の価値観に照らせば「ゲーム愛」だって「ラブ」の一つだと認めてくれるはずであり、そう思えるからこそ、一見「アンチゲーム」なエンディングに対しても不快感がなかったのだと思います。
まあ、何度も書いた通り「えっ?」とは思ったけれどさ!(笑)