三本足鳥の囀＠麻生壱埜

夜ごと襲い来る謎の敵から王国を守りつつ、船を直して島を脱出するゲーム。

このゲーム、とんでもなく難しいです。
普通、この手のゲームは最初のマップがそのままチュートリアルになっているものです。本作も当然、最初に説明があるのですが、そこで習得できるのは基本操作だけ。

ストラテジーに必要な「民にどの道具を与えるとどういう役割をするようになるのか」「このオブジェクト位置に建物を建てるとどういう効果が得られるのか」「そもそも勝利条件はなにか」ということが一切分からないまま放り出されます。
自分でコインを使い、事象を検証して、まずゲームシステムを把握しなければ先に進めないのです。
私の場合、本作の紹介記事を読んでいたので、船を修理する（次の島に進む）ことが目標だとわかっていただけ、かなりマシな方でした。

そういうわけなので、最初の島を脱出するまでに、２人の王が犠牲になりました。

最初の女王様は、知らぬ間に国民を生む源である浮浪者のキャンプを潰してしまい、労働力が足りず手詰まりになっていたところで敵に王冠を奪われて終了。

次の王は、ゆっくり進行すぎて毎夜の襲撃で国民がほぼ浮浪者になってしまう状態となり、現状維持はまだ数日続けられそうだったものの、これ以上先に進めないことが明らかだったので、自らリタイア。
３人目の女王様で、初めて船の修理に着手＆脱出成功。しかし船の移動時間が長すぎたので存在を忘れ、防衛戦でてんやわんやしていたら、ある日桟橋に船が来ていた状態でした。コインを投入したら女王が船に乗ってしまったので、ビックリしたくらいです。結果的に、襲撃明けでボロボロの王国を見捨てるような形での脱出となりました。

しかも、奇しくも２人目の王様がリタイアしたのと同じ、13日目の出来事でした。

こんな調子で、最初は理解できないことが多くて、「なんだこれ」「どうしたらいいんだ」「意味わからん」の連続。その状態でのプレイは辛くて、挫折するかも知れないと思ったのですが、気が付いたら４時間くらい遊んでいました。
自分で努力しなければ遊ぶことすら覚束ないのですが、これが世界とゲームシステムの両方を攻略していく感じで中毒性のある面白さです。
広大な草原を作って狩りで稼げるようにすることで、冒頭５日目くらいまでは安定するようになりました。

各オブジェクトで立つ建物の機能も、次第にわかってきました。
ただ、町を発展させた後に中央の建物を出入りする国民の役割は全く検討がつかなくて、攻略サイトを探してしまいました。コインを落とすと預かってくれる、銀行の役割なんですね。これを知らないままだったら、３人目の女王様も王冠を奪われていた気がします。
鎌を与えた国民が農民になることは、第二の島でようやく気付きました。だから農地を作らなかった最初の島では、焚き火の周辺をウロウロして無駄飯を食べていたのか！ 武装した姿に見えるので、射手に対して近接系の兵装かと思っていました。
第二の島から新たな要素が追加されていますし、いまだ効果がわからないオブジェクトもあります。

第二の島で早速３人目の女王様が犠牲になったところで、ひとまず終了。攻略には手間取りそうな歯応えを感じています。まず島が広くて、端から端まで辿り着けていません。そして配置はランダムだから運が悪かっただけだと思うけれど、浮浪者のキャンプが酷く遠い上に、敵が湧くポータルの向こう側に存在するので、人材を王国の敷地に連れて帰るだけでも一苦労でした。
第一の島を攻略していた時は、最初から容赦ないと思ったけれど、一応手加減されていたんですね。敵が一方からしか攻めてこないから、最悪の場合は、単機で逃げるという手も使えたからなぁ……。

自分の好みとしては、じっくり王国を発展させたくなるのですが、夜ごと敵の湧く量が増えるので、ある程度サクサク進めるべきゲームシステムなのだろうと感じています。
一度作った建物を壊すとか、民を自分で任意の位置に配置するとかできれば楽になりそうですが、楽をさせてくれないのが本作。それが面白さに繋がっているのだから、頑張って試行錯誤するしかありませんね。