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ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」ゴミ捨て場の決戦@TOKYO DOME CITY HALL、13:00回。
https://www.engeki-haikyu.com/autumn2020/

春高3回戦、音駒高校との戦いを描いた舞台。
熱い試合でした。コメディタッチな要素もあるのだけれど、あまりハッキリ笑っている人はいなかったですね。
現在放映中のアニメ(4期)の次の試合ということで、原作未読の私にとっては未来の話になっちゃいましたが、まぁ白鳥沢戦も稲荷崎戦もチケットが取れなかったのだから仕方ありません。
アニメで音駒高校の試合があったので、音駒側の面子が多少掴めていたのは助かりました。

過去の舞台レポートで「プロジェクションマッピングを使用」などと書かれていたので、映像多用なんだろうと思っていましたし、実際、多かったですが、それ以上に演者の肉体できちんと試合を再現ていたと思います。むしろ、予想より映像に頼らないなと思ったくらいです。
試合前の練習風景では実際のボールを使ってトスをしていて、サーブもボール持った状態から始まるので、試合中に実際のボールを使うわけないと確信しているのに、少し緊張しました。
そして、選手役の役者たちはみんなよく走るしよく飛ぶので、スポーツ全国大会の出場者だと言う説得力がありました。
そんなわけで、要所で「汗」がキーになる試合展開だったのですが、本当に汗が飛び散ってるだろうな、と思わされる説得力がありました。
体型は音駒の選手たちが素晴らしかったです。黒尾@近藤頌利とリエーフ@タホリ玲央の身長にはびっくりしました。手足も無茶苦茶長い! リベロとの身長差は、大人と子供か?と思うくらいです。

映像も使うので見た目はシンプルですが、ステージが丸ごと装置になっているタイプで、機構好きとしてはその点も楽しかったです。手前は盆付き舞台、奥半分が超急斜面の八百屋舞台(左右に稼働可能)。稼働すると言うことは少し不安定な可能性もあり、この舞台上で演技するのは相当難しいと思いますが、見ている側は面白いですね。
床を白線で区切っているのは、立ち位置を明確にするためかと思ったけれど、床が光ることで、いまボールに触ったのが誰か分かりやすくなっているなど、観る側への配慮がある装置でした。
これだけしっかりした造りなので、これは今回だけの機構ではなく、過去の公演から使っているものでしょうか。

原作未読のため原作通りかはわかりませんが、全体的に、漫画を読んでいるようなコマ割りだったり、効果音、吹き出しつきセリフの演出などがあって、これはまさに2.5次元というに相応しい舞台だと思いました。舞台版ペルソナあたりがやっていた演出手法をさらに突き詰めて、初代テニミュやブリミュの時代から、一歩も二歩も進んでいる感じがしました。

久しぶりに迫力ある音が堪能できたのも、生の舞台の良さ。
この試合で見せ場だっただろうオープントスと「ドン」のジャンプのシーン、応援で入る太鼓の音など、体に響く音がたくさん叩きつけられて、疲労もしたけれど、楽しかったです。
難点を言えば、マウスシールドをつけているせいか、全体的に相当の早回しのせいか、極一部の役者の台詞が聞き取りにくかったかな……。

役者は全然知らない世代なので、印象に残った人だけ。
田中冴子@安川里奈が、気の強い姉貴演技も太鼓も良くて、キャラクター再現度が高いなと思いました。弟の龍之介@鐘ヶ江洸も、見せ場は少なかったけれど田中らしい印象でした。
私の好みでは、黒尾@近藤頌利が抜群でした。見た目も、台詞回しも相当好きです。子供の頃は人見知りだったという研磨のセリフはびっくりしたけれど、人見知りが社交的になると、喋りすぎでウザい奴になりがちなのは、自分という実例がいるので、ちょっと黒尾に共感もできました(笑)。
研磨@永田崇人は、アニメの印象よりさらに内向的、且つちょっと怖い感じがありました。独特の軽い猫背姿勢で、髪色の特徴もありますが非常に目を惹きました。
大将優@福澤侑が、烏野側でも音駒側でもない唯一の登場人物なので、かなり美味しいポジションだったなと思います。アニメの優しい解説役っぷりも好きですけれど、舞台版のミカちゃん不在時は結構性格悪い感じですね。
武田先生が鎌苅健太でびっくりしました。あの鎌苅くんが、先生の役をやるほど歳を重ねていたのですね。一歩引いて生徒たちを支えている感じが滲み出ていて、いい先生でした。2.5次元の舞台で未だ活躍してくれていることが嬉しいです。

舞台上に1チーム5人、2チーム合わせて10人、時には控えや応援席のメンバーも入れて入れ替わり立ち替わり目まぐるしいので、舞台だけの情報だと、特にストーリーが組み込まれていない時の試合展開は分かりにくいし、誰が喋ったのかも判別できなかったりしました。でも、チーム戦の雰囲気は十分感じられたので一長一短ですね。

なお、新型コロナウイルス感染症の問題が起きてから初の観劇でしたが、劇場側の対策はもちろん、観客もルールに従っているのが素晴らしいと思いました。
入場時の検温、足裏と手指の消毒、マスク着用義務は至極当然としても、アリーナ席の観客にフェイスシールド貸し出しまであるのは驚きます。
客席は席を一つ開けており、退場は区画ごと番号呼び出し。休憩時間も客同士の私語厳禁と徹底していました。緊急連絡先も登録したし、できることをきちんとしていて、安心だなと思いました。

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